トップ よくあるご質問  

会報より
 


2005年8月29日〜9月5日
事務局 依知川 守


【見える危険 見えない危険】
私はJFSAの事務局になり8年になります。これまで友人などに「パキスタンのカラチ市の学校を支援している」と言うと「大丈夫?危ないところでしょう?」という言葉が返ってくることが何度となくありました。私自身この仕事に関るまでは、テレビや新聞で時折目にする「パキスタン」「過激派」「テロ」という言葉の点が、いつしか自分の中で線として「パキスタン=危険」というイメージを形作っていたと思います.
しかし、このイメージは実際にパキスタンを訪れたことで変化しました。その漠然とした「危険」はそれ自体に実体があるのではなく、その背景に目を向ける必要があるのだということに改めて気づかされたのです。つまり「貧困」と同様、「危険」という言葉についてもその表現を使うことで、その中に全てを閉じ込め、対岸の出来事として片付けることはできない、ということです。

ボランティア募集中
【NPO法人JFSA事務局】
〒260-0001
千葉市中央区都町3-14-10
業務時間:10:30〜19:00
(木曜定休)
電話/FAX:043-234-1206
E-mailアドレス:jfsa@f3.dion.ne.jp
ボランティア募集中
 
JFSAでは活動を支えるボランティアを募集しています。

ボランティア無償で、交通費などの手当てもありません。 ご了承ください。

【作業内容】
・寄付された切手の整理
・会報などの郵送準備作業
・古着販売に関わる補助作業
・古着コンテナ詰込み作業など

【作業日】
毎月第2日曜日と第3月曜日
(10:30〜17:00の間で2時間以上)
会員になるには
JFSAの活動は会員の方々に支えられて運営されています。

会員になるには下記の郵便口座に会費をお振込みいただくか、 直接JFSA事務局までお持ちください。

【 会員(正会員)】
個人1口\5,000-
団体1口\50,000-
【 支援メンバー】
個人1口\2,000-
団体1口\10,000-

通信欄に「会員」または「支援メンバー」「個人」または「団体」口数をお書き添えください。
●2014年度(2014年10月〜2015年9月)分の会費になります。
会員(正会員)には総会の議決権があります。
会員、支援メンバーには年3回の会報と、 年1回サポーターグッズ(アルカイールの生徒が作ったものなど)を郵送いたします。

*郵便振替口座番号
00160-7-444198
*加入者名 JFSA


カンパ金をご入金いただく場合も上記口座をご利用ください。
通信欄には「カンパ」とお書き添えください。

教室で  中央が依知川事務局

カチラクンディで暮らす青年たち
と西村事務局(右端)

【事故に遭遇して】
今回の滞在の中で印象的な出来事がありました。カチラクンディ(ゴミ捨て場)分校から移動中、近くの水路を通りかかったときのことです。遠くの方で子どもたちが大声で助けを求めていました。車を止め走っていくと、お母さんらしき女性が水路に落ち溺れているのです。既に地元の青年が飛び込み、中から岸に押し上げようとしているところでした。
しかし、水の流れが速く、さらにつかむ場所がない上、足元は苔が生えて滑るため自力で上がるのは困難な状況でした。駆けつけた西村事務局が岸辺からその女性の手を取り、無事救出することができましたが、ここで暮らす人々にこのような事故が頻繁に起こるであろうことは、容易に想像できます。


事故の起きた水路


女性の救出にあたった青年

カチラクンディでゴミの燃え
カスの中から有価物を探す
少年

【貧困と危険の中で生きる人々と連帯する】
アルカイール・アカデミーに通う子どもたちやその家族など、貧困の中で生活している人々は、前述のような事故以外にも、食糧不足、暴力、強盗、テロなど命を落とす要素と向かい合い生活しています。人々は幾重にも重なる危険の中で日々を送っているのです。現地の人々と接するとその表情が精悍に見えることがあるのですが、それは生まれながらの表情ではなく、厳しい現実をくぐり抜けてきたことを映し出す鏡に思えます。
現在アルカイール・アカデミーには診療所がありますので、生徒や家族は無料で診療を受けられますが、そのような施設がなければ経済的な理由で治療を受けることさえできず、病状を悪化させ死に至ることもあるでしょう。場合によっては借金することになり、さらに生活が厳しくなることも考えられます。社会全体としても日本のように危険を未然に防ぐシステムが乏しい上、貧困の中に暮らす人々は、あらゆる危険から最も守られない存在だといえます。家族、友人、近所という人間関係についても決して友好的なだけではなく、憎しみによって殺人さえ起こる可能性も孕んでいます。

だからこそアルカイール・アカデミーのような存在が、人々に支えあいの機会を生み、地域に開かれた場として広がるための協力をしたいと思います。


アルカイールアカデミーの子どもたち(2005年9月撮影)

アルカイール・アカデミーと連帯するということは、彼らが日常的に向かい合っている危険について、さらに私たち日本人が訪問することで彼らに対しても危険を持ち込む可能性があるのだということについても理解する必要があります。

そしてこの「危険」について考えるとき、パキスタンと日本でどちらが「良い⇔悪い」という形のみで収めてしまうのではなく、私たちが暮らす日本の現状(安全をお金で買う=第3者に保障してもらう)の抱える危険性にも目を向けていきたいと思います。
危険自体が無くなってしまったわけではないのですから。

トップページへ