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会報13号より
 

 「学生スタディイベント報告」(2007年2月19日〜3月2日)
ボランティア募集中
【NPO法人JFSA事務局】
〒260-0001
千葉市中央区都町3-14-10
業務時間:10:30〜19:00
(木曜定休)
電話/FAX:043-234-1206
E-mailアドレス:jfsa@f3.dion.ne.jp
ボランティア募集中
 
JFSAでは活動を支えるボランティアを募集しています。

ボランティア無償で、交通費などの手当てもありません。 ご了承ください。

【作業内容】
・寄付された切手の整理
・会報などの郵送準備作業
・古着販売に関わる補助作業
・古着コンテナ詰込み作業など

【作業日】
毎月第2日曜日と第3月曜日
(10:30〜17:00の間で2時間以上)
会員になるには
JFSAの活動は会員の方々に支えられて運営されています。

会員になるには下記の郵便口座に会費をお振込みいただくか、 直接JFSA事務局までお持ちください。

【 会員(正会員)】
個人1口\5,000-
団体1口\50,000-
【 支援メンバー】
個人1口\2,000-
団体1口\10,000-

通信欄に「会員」または「支援メンバー」「個人」または「団体」口数をお書き添えください。
●2011年度(2011年10月〜2012年9月)分の会費になります。
会員(正会員)には総会の議決権があります。
会員、支援メンバーには年3回の会報と、 年1回サポーターグッズ(アルカイールの生徒が作ったものなど)を郵送いたします。

*郵便振替口座番号
00160-7-444198
*加入者名 JFSA


カンパ金をご入金いただく場合も上記口座をご利用ください。
通信欄には「カンパ」とお書き添えください。
現地コーディネート 事務局 西村光夫
                    現地同行 事務局 依知川守

青空学校の黒板。ウルドゥ語で
(上)パキスタン、(下)日本と書かれています
スタディイベントの写真はフォトギャラリーに沢山掲載しています
こちらからご覧ください

 JFSAは昨年から学生の方を対象にした現地スタディイベントを実施しています。第2回目となる今回も、アルカイールアカデミーやカチラクンディ分校、北方地域の地震被災地にある青空学校、そして古着販売の現場などを訪問することで、JFSAとアルカイールアカデミーの活動に直接触れていただけました。
 今回の参加者は女性4名、男性1名の計5名でした。それぞれ大学での専攻は国際文化、人間関係、語学で、参加の動機はNGOへの興味や、イスラム圏への興味、小さいころ観光旅行先の国で眼にした貧しい子どもの存在がずっと心に残っていた、など様々でした。
 毎晩のように皆でムザヒル校長宅の屋上にあがり、その日に見たこと聞いたことについての話しや、NGO活動についての本質的な問題提起もありました(「なぜ海外支援を行うのか?」、NGO活動の姿勢について川を流れてくる子どもに例え「川下にいて流れてくる子どもを一人一人助けているだけではなく、川上に眼を向けて、なぜ子どもたちが流れてくるのかを考える必要がある」など)。アルカイールアカデミーに通う生徒の家庭訪問や、生徒、先生へのインタビュー、現地大学生との交流など、様々な活動を行う中で参加者(事務局である自分自身も含めて)は考えが深められたと思います。現地で数日過ごした頃「初めのうちは子どもたちの写真を一所懸命に撮っていたけど、撮られる側から見たらどうなのか?・・・今はとにかく子どもの横に一緒に座り授業を受けてみたい」という言葉が印象的でした。
 ここにご紹介する参加者から届いたレポートは、それぞれの眼を通して現地で、または帰国後に感じたことが書かれています。距離としてはとても遠い国パキスタンではありますが、そこで実際に経験したことはそれぞれの心の奥にしっかりと根をはってもらえたように思います。先日ムザヒル校長ら3名の方々をパキスタンから招日した際は、スタディイベント参加者だった和光大生が、学内で交流会を開いてくれました。限られた時間では、パキスタンで眼にしたものの背景に迫るのは難しかったかと思いますが、今後も参加者の方々との関係を継続し、お互いフィールドは異なっても共通した根を大切にしていきたいと思います。(JFSA事務局依知川)



「パキスタンの風景」考
        上智大学外国語学部イスパニア語学科 野田 麻里子
 まず、パキスタンでのツアーを通して私たちが出会いお世話になった全ての方々に感謝の気持ちを伝えたい。行く先々で出会うパキスタンの人のあたたかさに触れる度、私はパキスタンという国がどんどん好きになった。人と人とが繋がっていくことはとても素敵なことだと感じない日はなかった。毎日多くの矛盾や疑問にぶつかったが、自分の中のものさしを見つめ直す機会を与えていただいたと思っている。
 パキスタンから帰国してもう少しで1ヵ月が経つ。時間が過ぎるのはあっと言う間だ。日本に帰国した3月2日、私は目黒駅から帰るバスの中でふと思って「しまった」。私は本当にパキスタンに行っていたのだろうか、と。11日間、毎日眺めていたような風景はもうどこにもなかった。きれいに舗装された道路。交通ルールに従って規則正しく走る自動車やバイク。その両脇に並ぶ店と、思い思いの服装に身を包んで歩く人々。ごみがあちらこちらに散在し砂埃が時折舞う道路は私の目には映っていない。パキスタンの人々のエネルギーさえ感じさせるような、道いっぱいに鳴り響いていた車のクラクションの音も聞こえてこない。くず拾いのために町の喧騒の中を歩き回り、信号待ちの自動車を声もかけずに拭いてお金を求め、大人たちに混じってバイクの修理をしていた小さな子ども達の姿ももう見えない。車の窓越しにお金を求めてやってくる物乞いの人々は、駅や道路の片隅でじっと座り込んでいるホームレスの人々の姿に変わっていた。どちらが良いとか優れているとか、そういうことではない。ただ、私はその違いに戸惑った。前の晩まで目の前にあったパキスタンの風景がとても遠く感じられた。JFSAの西村さんがおっしゃっていた「日本に帰るとパキスタンのことはじゃんじゃん忘れていく」という言葉をその時思い出した。事実、日本に帰国して忘れかけていることがないとは言えないだろう。
 私は帰国以来、自分がパキスタンで見たことや聞いたことは何だったのかを考えていた。パキスタンでの旅が始まって最初の頃、訪れた先々で上述したような風景を目の当たりにする度に「本当にこういう世界があるのだ」と衝撃を受けていた。しかしそれ以上に衝撃的だったことがあった。それは、目の前にあるその風景にリアリティを感じられない自分に対してだった。何メートルか先では、自分とひとまわりも年が違うような子ども達が働いている。赤ん坊を片手に抱いた物乞いの女性が、「お金をちょうだい」と言いながら車の窓越しに私たちを見つめている。それなのになぜか違う世界のような気がしてしまっていた。
 なぜなのだろう。恐らく、所謂「発展途上国」にはそういう風景があるということをパキスタンに来る前から知っていたからではないかと私は思う。世界中の情報が日々飛び交う中で、私たちは様々な媒体を通してあらゆる情報を手に入れることができる。例えばクリックひとつでアクセスできるインターネットであったり、ページをめくれば読むことのできる新聞や本であったり、チャンネルを変えるだけで見ることのできるテレビ。そういった間接的な方法で、私は発展途上国の風景を無意識のうちに疑似体験していた。だから実際にそれを目の当たりにした時、頭で分かっているつもりになってしまっていた。「見えているのに見ていない」気がして、そんな自分が悲しかった。しかし、実際に現地に自分の足で立ち、ムザヒル校長をはじめパキスタンで出会った人々から話を聞き議論を重ね、ニューカラチのアルカイール中等学校やカチラクンディのアルカイール小学校、バラコートの小学校で学ぶ子ども達と触れ合ううちに、少しずつ現実と頭の中の世界とが近付いていった。「今目の前にあるものに自分はどう向き合っていけば良いのか」を考えることが、「見えているのに見ていない」状況を変える最初の一歩になるのだと感じるようになった。それでも、日本に帰国してから改めて見返した写真の多くは、上から見下ろして撮ったもので愕然とした。全く意識していなかったが、まだまだ相手と同じ目線に立つことができていなかったのだと思い知らされた。まずは自分の目の前にあるものと同じ目線に立つ努力が必要なのだ、と当たり前のことに改めて気付かされた。その上で自分はどう向き合うことができるのかを考えてみる。小さなことかもしれないが、これがパキスタンでの11日間の旅の中で私が見つけたひとつの道筋である。このような貴重な体験の場を提供してくださったJFSAの方々をはじめ、一緒にツアーに参加した仲間や、パキスタンで私たちを受け入れてくださった方々、はにかみながらもはじけるような笑顔を見せてくれた子ども達との出会いに心から感謝したい。国も文化も自身を取り巻く環境も価値観も異なる人々と、ひとつのことで笑い合い、ひとつのことについて話し合い、同じ時間を共有できたことが私は本当に嬉しい。シュークリヤー!(*ウルドゥ語で「ありがとう」の意)


カチラクンディの生徒へのインタビュー



JFSAスタディイベント報告書
       西南学院大学国際文化学部国際文化学科田邊 公平
 私は今まで様々なスタディツアーに参加してきた。国際協力に興味があり、積極的に途上国に行き、なるべくこの目で途上国・現場を理解しようと努めてきた。国際協力を抜きにしたただの観光も経験してきて改めて思うのは、我々の世界はもはや無関心ではいられないということ。小さな世界、大きな責任の世界に生きている私たちは、途上国を知る義務があると思う。その意味で、今回のスタディツアーは現代にうってつけのツアーだと思った。たちのイスラム観は往々にして、「欧米から見たイスラム観」と置き換えることが出来ると思う。そしてこのことはイコール「私たちはイスラム教について何も知らない」と置き換えることもできるだろう。このところはかなり気をつけないといけない。日本で本当のイスラム教について知ることができる機会は少なく、しかもこのことに疑問符をつける作業すら日本では難しいのだ。
 
実際にパキスタンに行ってみて感じたことは、イスラム教国は本当に他国と違うなと思った。全てが勉強になった。こんなに日々充実した時間を送ったのはいつぶりだろう、とツアー中に考えるほど、充実した時間だった。最大の懸念だった治安も、JFSAのスタッフの方々が注意を払ってくださったおかげで何事もなく終わった。勉強になる部分も多かったが、それ以上に楽しかった。一人間として楽しかった。お世話になった方々に、心からの感謝の気持ちを述べたい。
 日本に帰国してから気になった点がある。パキスタン人にアメリカのことを尋ねた時のことだ。私なりの解釈だが、彼らは本当にアメリカが嫌いだと思った。アメリカ人で彼らを好きな人も、おそらくあまりいないだろう。これはもし両者が衝突したら戦争は避けられないと不安を感じた。そこで日本ができることはないか真剣に、自分のこととして考え始めた。何かできることがあるはずだ。11世紀の十字軍以来続いてきたイスラム教対キリスト教。「文明の衝突」という言葉があるが、しかし衝突は「しょうがない」ものではないはずだ。
 いろいろと書いたが、強調したいことはただ一つ。楽しかった。感謝してもしたりないくらいスタッフの方々、現地の方々にお世話になった。こんなにもメモ帳が字で埋め尽くされた国は他にはなかった。本当にありがとうございました。


ムザヒル校長宅の屋上ではその日の出来事を振り返り
話し合いをもちました



和光大学 人間関係学部人間関係学科 黒田 美希
 大学2年の時に「フィールドワーク」の授業に出会えた。教室では感じる事の出来ない「現地での体験」が自分の視野を広げ、学びを深めると考えてきた。私は主に「教育」をテーマにチベット、韓国、水俣などアジアを中心にフィールドワークを実践してきた。現地に行って得るものは沢山あった。子ども達の抱えている問題が明確に見え、新しい発見、世間の目との違い、など自分なりの考えを見直す事も出来た。しかし現地に行っている時に感じたモノを日本に帰国して自分で吸収し、深める事の難しさを実践する度に感じていた。教育という大きな壁を前に「なぜフィールドワークを行うのか」フィールドワークを行う度に自分の中で壁にぶち当たり、その答えを出さないまま次の場所へフィールドワークに出かけていた。
 今回のスタディツアーは友達の紹介で参加した。義務教育がない国、イスラム教、軍事費が70%、全く想像のつかない国だった。行く前に感じたのはJFSAスタッフの魅力だ。これだけ面白い人達が関わっている。私も参加したい、同じものを見てみたいと感じた。パキスタンで過ごした10日間は毎日が刺激的でムザヒル先生、タスリーム、サラ、サバ、サッドゥ、サウッド、ワリさん、ターリック、サジェッドさん、カユム、カチラクンディの先生方、アルカイールアカデミーの先生方、ここに書ききれない位の人たちに本当にお世話になった。私たちの事を親身に考え行動し、彼らの活動は出会う人すべてを魅了していた。「似たもの同士が集まる」と聞くが世界共通だと実感した。日本で得る情報だけでパキスタンのイメージを作っていた自分が恥ずかしくなった。そこに住んでいる人を勝手にイメージし決めつけていた。情報社会の中で、自分の目でみて感じたものが信頼できると感じた。11日が本当に濃い日だった。文章にすると書ききれない。伝えきれない。まとまらない。そんな気持ちでいっぱいだ。私の中でパキスタンでの経験は教育に対して、たちうち出来ない気持ちを少し楽にしてくれた。
 カチラクンディで子ども達とウルドゥ語を勉強した時、子ども達が感じている楽しい時間と私が感じた楽しい時間が同じ気持ちだった。同じ気持ち、同じ時間を共有できた。言葉は通じなくても確かに感じるものがあった。
 子どもたちと同じ気持ちを共有する。子どもたちがふとした瞬間に私と過ごした時を思い出し、楽しい気持ちになれる。そんな存在になりたい。子ども達だけではない。一緒に過ごしたムザヒル一家が、学校の先生が、出会った人達が…。教育は子ども達だけに与えられたものではない。先生も大人も私も一緒に成長するものだと感じた。「子どもたちが笑顔になる、楽しい気持ちになる」そのため何ができるのか。と考えたら教育に対する大きな壁が少し小さく見えた。子ども達にも大人にもチャンスと平等がある。教育はチャンスを得るために、平等になるために絶対に必要なものなのだ。
 スタディツアーの中で「見て、感じて、考える」を重視し考えを発表する機会が数多くあった。声に出すまでに頭の中で言葉を選び、まとめる。声にだすと自分でも思ってもいないことが出たり、発表している間に新しい発見をしたりと自分の中で試行錯誤が続いた。この経験が自分の中でスタディツアーを深めることが出来た。中でもムザヒル先生の「助けられるようになるために助けて下さい」の言葉を聞いた時はアッパレだった。様々なテーマに対する答えだと感じた。私自身に投げられた言葉であり、私自身も思っている感情だった。まだまだ答えのでない壁は沢山ある。その中で大きな木のように水を吸収し、空高く成長していきたい。


カチラクンディ分校で生徒の横で一緒に授業に参加する黒田さん

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