JFSAの皆様、アルカイールアカデミーを支援して下さっている皆様こんにちは。
現在のアルカイールアカデミーの子どもたちの状況を伝えられる場を与えて下さり、感謝しています。
私たちは、1987年からこの地域で、本来は教育を受ける権利を持つ子どもたちに、教育を受け社会的地位を得ることを教えてきました。なぜなら、この地域は識字率が低く、ドラッグが蔓延し、貧しく、犯罪も多い地域で、この地域で暮らす子どもたちは教育や社会的地位を得る機会がないからです。この地域で彼らに教育を与えることは簡単なことではなく、人々に教育について考えてもらうことは困難です。
アルカイールアカデミーの生徒は、家庭で問題に直面しています。なぜなら、彼らは勉強したくても、親は、生活の糧を得るために子どもたちは働くことが必要だと思っているからです。特にラマダン(断食月)の時期は、ほとんどの子どもが深夜1時過ぎまで仕事をし、朝には学校に来る生活です。多くの子どもが、家庭の環境に問題があったり、停電が頻繁にあることで、家での勉強はほとんどできません。
とりわけ、雨期(7〜8月)はほとんどの子どもの家が浸水の被害に遭います。アルカイールアカデミーの子どもたちにとって、学校が唯一の勉強できる場なのです。家庭の中では彼らは沢山勉強する機会はありません。なぜなら、家庭の中には教育を受けた人がいないので、アルカイールアカデミーの先生のように「勉強を頑張って良い成績を取れば良い将来が待っている」と彼らにやる気を起こさせられないのです。そういうわけで、彼らは家では働いているのです。良い成績が取れると、彼らはもっと勉強を続け、最後まで教育を受けたがります。しかし、勉強を続けたいと願っても家庭内で同意してもらえないことが多くあります。
例としては、Nargis Hameedという女の子がいます。大学入学検定試験で正解率84%の高成績でした。充分な実力があり、工学のカレッジで勉強を続けたいと願っていました。しかし両親はそのことに反対していたので、私は両親を説得したのですが、同意してもらえませんでした。なぜなら、彼女の家族は父が病気で、稼ぎ手が誰もいなかったのです。私は、勉強をすることで将来が広がることや、家族の力にもなるという話をし、説得を続けました。その結果、現在彼女はカラチ大学のコンピューター科の生徒で、良い成績を収めています。
これに近い沢山のケースがアルカイールアカデミーにはあります。私たちがいえるのは、子どもたちが様々な困難な境界線上に立たされたとき、一に教育、二に判断力が必要だということです。特に、カチラクンディとムスタファ地区はいまだに教育に対する意識が低いため、この地域から良い先生も生まれないし、このような状況は私たちにとって常に問題で、将来もっと良い結果が出せるように取り組んでいます(教師の養成、他のスラム地域への教師派遣センターを構想中)。
JFSAは1995年から、私たちにとても良い形でのサポートをしてくれています。古着を送って下さる皆様の、子どもたちへの高い関心のおかげで、JFSAの支援は現在アルカイールアカデミーの経費の25%となっています。将来は、社会的地位を得ることで、100%の経費を担うことができるでしょう。
最後に、JFSAそして多くの日本の皆様に感謝申しあげます。
アルカイールアカデミー校長ムハマド・ムザヒル
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