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会報17号より
 

 「母親にインタビュー」 JFSA理事長 田邉 紀子

会員になるには
JFSAの活動は会員の方々に支えられています。
会員になるには下記の郵便口座に年会費をお振込みいただくか、 直接JFSA事務局まで直接お持ちください。
●2013年度(2013年10月〜2014年9月)分の会費になります。
●会員(正会員)には総会の議決権があります。
●会員、支援メンバーには年3回の会報と、 年1回サポーターグッズ(アルカイールの生徒が作ったものなど)を郵送いたします。
※サポーターグッズのサンプルはこちらからご覧ください。

◆郵便振替口座番号 00160-7-444198
◆加入者名 JFSA
≪年会費≫
【 会員(正会員)】

個人1口\5,000-/団体1口\50,000-
【 支援メンバー】
個人1口\2,000-/団体1口\10,000-


※通信欄に「会員」または「支援メンバー」「個人」または「団体」口数をお書き添えください(郵便振替用紙サンプルはこちらからご覧ください)。
※カンパ金をご入金いただく場合も上記口座をご利用ください。通信欄には「カンパ」とお書き添えください。
ボランティア募集中
 
JFSAでは活動を支えるボランティアを募集しています。
【作業内容】
@和服の選別、ハギレ作成、値段付け、など
A寄付された切手などの整理。
B会報などの郵送準備作業。
Cパキスタンへの古着コンテナ詰込み作業など。
Dフリーマーケットやチャリティ古着バザールなど古着販売に関わる補助作業。
【作業日】
作業内容により異なります。JFSA事務局へお問合せください。
【作業場所】
D以外はNPO法人JFSA事務局で行います。
*参加ご希望の方はJFSA事務局までお気軽にお問合せください。*ボランティアは無償で、交通費などの手当てもありません。ご了承ください。
ボランティア募集中
【NPO法人JFSA事務局】
住所:〒260-0001
千葉市中央区都町3-14-10
業務時間:10:30〜19:00
(木曜定休)
電話/FAX:043-234-1206
E-mail:jfsa@f3.dion.ne.jp
 8月28日の午前中に、アルカイールアカデミーのカチラクンディ分校を訪ねました。
 カチラクンディは人口1600万人の大都市カラチのゴミ捨て場で、広大な空き地にトラックでゴミが運び込まれています。約3000人の人々が住んでいますが、ゴミに火をつけて燃やし、残った灰の中から金属などの有価物を集めて売り、その収入で暮らしています。
 前回の訪問のとき(昨年10月)よりもゴミの量は増えていて、入り口の道路わきには銃を持った制服姿の警備員たちが見えました。ごみ処理プラント事業で来ている中国の人たちの警備をしていると聞きました。
 カラチ市の年間降水量は約250ミリです。その大半は7月から8月にかけて降るので、この時期はハエが大発生しています。話をしたところは分校に設けてある診療所の中ですが、停電で扇風機が止まっていたため、医師のスルタンさんはハエを団扇で追い払いながら診察をしていました。
 上の写真の左側が母親のズベーダさんで、抱いているのは7ヶ月になる末娘のザミーナ、少年は分校の2年生イード・ムハマッド君です。
 ズベーダさんは5歳のころ家族(両親、女6人男5人のきょうだい)でここに移ってきたといいます。お兄さん2人は結婚してニューカラチ(アルカイールアカデミー本校のあるスラム地区)に移り、ズベーダさんはここで結婚して、今は5人の子どもがいます。家族はゴミの中から、金属などを集めて仲買人に売る仕事で生計をたてています。
 前日にここに来たときに、スルタン医師が、「きょうは結婚式をしているから見に行こう!」といって連れて行ってくれました。2組の結婚式がいっしょに行われていて、広場にはたくさんの人が集まっていました。新婦2人は小さな小屋の中に並んで座っていて、そこも女性たちでいっぱいでした。2人とも15歳くらいでしょうか、1人はときどき涙をぬぐっていました。そばにいる女性に「どうして泣いているのか?」ときくと、「式が終われば親のもとを離れて相手の家に行かなくてはならないから悲しいのだ」と言っていました。ズベーダさんも、子どもたちの年齢からすると、あの少女たちと同じくらいの年齢で結婚したのでしょうか。
ズベーダさんは「学校ができてよかった、子どものためになると思った」「子どもにはこの仕事はさせたくない」と言っていました。
 写真には写っていませんが、会話を助けてくれた女性がいます。彼女は少し年上に見え、子どもを診察に連れて来ていました。私たちの会話を耳にし、ズベーダさんに代わっていろいろと話してくれました。そんな彼女に、バローチ出身でウルドゥ語(パキスタンの公用語)はあまり得意ではないらしいズベーダさんは、ときどき助けを求める視線を向けていました。彼女は通訳もかねて、ゴミを運んでくるトラックには1台につき100ルピーを払う、1ヶ月の収入は3〜4000ルピーくらい、衣類などの買い物にはバザールに行くと話してくれました。
 インタビューの間、ズベーダさんが見せる戸惑いの表情や、息子のムハマッド君の視線などから「答えにくいことを聞いてしまった?」「まとはずれのことを聞いた?」などの疑問が心に浮かびました。相手の暮らす社会の成り立ちや状況を知ることも必要ですが、自分の想像力の足りなさを意識しないままに決めつけてしまっていないか、NGOとして支援をする立場にある自分を相手がどう思っているのか、問い続けることがたいせつなことだと、反省を含めて思ったインタビューでした。次回の派遣の時には、またズベーダさんにお会いできたらと思います。



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