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会報21号より
 

 「第31回コンテナ送り出し報告」   事務局 入江 賢治

会員になるには
JFSAの活動は会員の方々に支えられています。
会員になるには下記の郵便口座に年会費をお振込みいただくか、 直接JFSA事務局まで直接お持ちください。
●2012年度(2012年10月〜2013年9月)分の会費になります。
●会員(正会員)には総会の議決権があります。
●会員、支援メンバーには年3回の会報と、 年1回サポーターグッズ(アルカイールの生徒が作ったものなど)を郵送いたします。
※サポーターグッズのサンプルはこちらからご覧ください。

◆郵便振替口座番号 00160-7-444198
◆加入者名 JFSA
≪年会費≫
【 会員(正会員)】

個人1口\5,000-/団体1口\50,000-
【 支援メンバー】
個人1口\2,000-/団体1口\10,000-


※通信欄に「会員」または「支援メンバー」「個人」または「団体」口数をお書き添えください(郵便振替用紙サンプルはこちらからご覧ください)。
※カンパ金をご入金いただく場合も上記口座をご利用ください。通信欄には「カンパ」とお書き添えください。
ボランティア募集中
 
JFSAでは活動を支えるボランティアを募集しています。
【作業内容】
@和服の選別、ハギレ作成、値段付け、など
A寄付された切手などの整理。
B会報などの郵送準備作業。
Cパキスタンへの古着コンテナ詰込み作業など。
Dフリーマーケットやチャリティ古着バザールなど古着販売に関わる補助作業。
【作業日】
作業内容により異なります。JFSA事務局へお問合せください。
【作業場所】
D以外はNPO法人JFSA事務局で行います。
*参加ご希望の方はJFSA事務局までお気軽にお問合せください。*ボランティアは無償で、交通費などの手当てもありません。ご了承ください。
ボランティア募集中
【NPO法人JFSA事務局】
住所:〒260-0001
千葉市中央区都町3-14-10
業務時間:10:30〜19:00
(木曜定休)
電話/FAX:043-234-1206
E-mail:jfsa@f3.dion.ne.jp

   

 第31回目のパキスタンへのコンテナ送り出しを2009年9月23日(水)に行いました。積み込み重量は23361KG(正味量)でした。これまでで2番目に多い重量です。当日は晴れて気持ちの良い天気となりました。

 今回の積み込みには36名のボランティアの参加がありました!事務局・アルバイトを含めると総勢45名近い人間が協力して、人力で23トン以上の荷物を積み込みました。祝日だったこともあり、ボランティアの方の顔ぶれは大変多彩でした。JFSA会員、回収協力団体の職員の方、在日パキスタン人の方、インドネシア人・アメリカ人の留学生、ダルク(薬物依存からの社会復帰施設)のみなさん、大学生、その他事務局・アルバイトの友人などです。

 JFSAでは当初からコンテナの積み込みは多くのボランティアの協力を得て、人力で行ってきました。フォークリフトを持っていないという理由はありますが、それ以上にみんなで共通の目的を持ち、体を使って汗を流して行う共同作業に魅了を感じていることも事実です。初対面の方とでも、重い50KGのベール(衣類を圧縮・梱包したもの)を声と力を合わせて運ぶと、そのときにお互いの間に信頼感が生まれるように思えます。それが関係をつくる第一歩でありベースとなるように感じるのです。生のコミュニケーションが減ってきている現代、共同で作業をすることはそれ自体にとても大きな意味があるのではないでしょうか。



  
『 「古着等のリユース」の取り組みにより、
      現地の人達や子ども達の生活はどのように変化したか 』
                   JFSA事務局海外事業担当 西村光夫


 先月(2009年11月)、グリーンコープかごしま生協の「ファイバーリサイクルに取り組むための学習会」に招かれファイバーリサイクルの取り組みについてお話をしました。学習会の事前に、この学習会を準備して下さったスタッフの方から上記のようなご質問にお答え下さいとのご依頼がありました。以下の文章は、そのご質問のお答えとして学習会でお配りした資料に加筆したものです。とても良いご質問を頂いたと思いましたので、会員の皆様、協力者の皆様、JFSAの活動を初めてお知りになる皆様にもお伝えしたいと考え掲載いたしました。
 
[ 上記質問のお答え ]
JFSAはスラムの人々や子ども達を直接支援しているのではありません。スラム地域でその人々の教育・生活支援を行なっている学校アルカイールアカデミーの運営を連帯事業(古着販売事業)という形で支援しています。以下に、JFSAが関わったことでアルカイールアカデミーの教育・生活支援が如何に推進されて、その結果としてスラムの人々や子ども達の生活がどのように変化したかを報告します。



生徒集集会の様子
貧困と向き合いながら進学を考えあぐ
んでいる生徒たちに、進学が困難でも「学
んで人として育つ」ということの大切
さを語っているムザヒル校長。

1)この取り組みがもたらしたアルカイールアカデミーの教育事業の伸展
@学校の運営資金をJFSAとの連帯事業(古着等販売事業など)によって作り出すことにより、寄付金に頼っている時よりも計画的で自立的な運営が可能となりました。連帯事業の拡大とともに学校内に設けた事業部門を、卒業生を中心に事業運営するアルカイールアカデミービジネスグループ・コーポレーション(略称AKBG)として独立させました。

*連帯事業を始めた当初から3年程は利益を生み出すことが困難でありましたが、ここ10年現在に至るまでコンスタントに利益を上げられるようになりました。

AJFSAとの連携によるアルカイールアカデミーの教育活動の維持・拡大を行ってきました。

[維持] 
2001年10月に勃発したアフガン戦争によって隣国であるパキスタンはアフガニスタンからの多くの難民流入などにより経済的な打撃を受けました。その影響でアルカイールの子ども達は家族を助けるために働かざるを得なくなりました。JFSAは協力団体などに呼びかけて緊急支援カンパ活動を行ない、アルカイールアカデミーと共に「子どもの学び」を維持しました。そして、カンパ金の一部をこのような緊急時に子ども達の生活基盤を支えるべく、アルカイールアカデミーの連帯事業を推進するプログラムの資金としました。



西村光夫カチラクンディ分校長のアッバース先生( 左)
 学校周辺を訪ね歩き、地域の様子や家庭の様子や
  子どもの様子をいつも気にかけている。



ゴミ捨て場で働く家族と話をする
事務局西村とアルカイールアカデミーメンバー


[拡大1]
2002年3月に、カラチ市の大ゴミ処分場に暮らす1500人ほどの子ども達のために、アルカイールアカデミーの分校として学校を開校しました。
現在300人ほどの子ども達が学校に通っています。JFSAがパキスタンに送り届けている古着の最終的な行方を追いかけた末に辿り着いたゴミ処分場内で、
惨憺たる環境の下で教育も受けず、身体的なダメージを受けながら働く子ども達に出会ったことから、この学校は開かれたものです。アルカイールアカデミー代
表のムザヒル氏は、JFSAとの連帯事業によって計画的な運営資金が得られるようになっていたからこそ開校できたのだと語ってくれました。

[拡大2]
2005年10月、パキスタンの北部地方で大地震が起きました。その地域はAKBG事務局のカユーン氏の故郷でもあり家族の方数名が亡くなられ
ました。そのことを知ったアルカイールの子ども達が、学校としても何か支援できないかとムザヒル校長に嘆願したことが、JFSAに伝えられました。JFS
Aは子どもたちの想いに応えるべく日本でカンパ活動を行ない、アルカイールアカデミーの地震被災支援の資金的支援を行ないました。その資金を元に、アルカ
イールアカデミーによる長期的復興支援として青空学校が開校されたのです。現在も村人のニーズに応えながら継続した教育支援が行われています。



ムザヒル校長( 中央)、西村事務局( 右) と
  アルカイールアカデミーの子どもたち


2)スラムの人々や子ども達の生活の変化
@アルカイールアカデミーの学校運営はJFSAとの連帯事業(古着販売事業等)により資金的に安定し、アルカイールアカデミーの教育レベルや教師の教育に対する意欲が高くなりました。そのことによって、親や子ども達の学校への信頼が強くなり、地域にそのことが伝わり子どもの教育の必要性を理解する親が増えました。このことは、以下のような現状の公立学校・宗教学校に対しても少なからぬ影響を与えています。

*公立学校の現状:教師の低いサラリー → 教師の欠席、自習が多い → 児童の学習意欲の低下 → 親の教育への信頼喪失 → 教育の機会を奪う児童労働へ

*宗教学校の現状:一般教養科目が少なく、狭い視野で宗教を理解するため、若者の中には過激な行動に追随する者もいます。

A福祉的、宗教的な支援を一方的に受け続けてきたスラムの人々は、保護もされてきましたが、同時に自立する気持ちも失ってきました。また、アルカイールアカデミーも寄付に頼っていて、寄付者の顔色を伺いながらの運営で、信念を持った自立した学校運営が出来ませんでした。しかし、この連帯事業を進めていく過程で、学校の自立的な運営が教育内容にも反映されるようになりました。物乞い的な発想を持っていた子ども達も変化し、その変化は子どもから親へと伝わって行きました。

*「ろくに仕事もしない親が学校にお金をせがんできた時、そういうことは止めて欲しいと子どもは泣きながら頼んだ」と、先生に聞きました。その子は入学する前は路上で物乞いをしていたそうです。

*「文字が読めない母は、バスの掲示板も読めずバスにも乗れなかったが、私が読めるように なって一緒に外出できるようになったし、母にも文字を教えて
  いる」(子どものインタビューで)
B連帯事業に卒業生が参加することで、卒業生相互の仲間意識が高められ、地域が抱える諸問題(インフラ、マフイアの存在、薬物などの問題)を解決していこうという姿勢が卒業生の中に表れてきました。アルカイールアカデミーは、教育を受けた子ども達を社会的資源と考えて、将来、スラム社会を変えていく主体となるように努めています。職業訓練所の縫製科を卒業した子ども達をメンバーにした縫製工房の設立の計画もそのひとつです。   (次ページへつづく→)

C教育の連鎖が生じています。アルカイールアカデミーを卒業した女の子が、母親となった時、貧しさのため子どもを児童労働に就かせようという夫を説得して、子どもをアルカイールアカデミーに通わせているケースも多くあります。母親達が連帯事業で少しでも収入を得られるようになれば、こういった説得力も高まります。縫製工房の設立はこれを可能にするでしょう


アルカイール・アカデミーの子どもたち

以上に述べてきたような生活の変化は、絶対的貧困者が人口1億6千万のうちの4割が絶対貧困者(1日1ドル以下で暮らす人々)であると言われるパキスタン社会の、制度的な変化に至るまでには遠い道のりの様に思われます。しかし、このようなスラム社会の人々の小さな変化の積み重ねが、真に民主主義的な制度の変化にたどり着くのではと考えます。



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