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会報22号より
 

第32回コンテナ送り出し報告
会員になるには
JFSAの活動は会員の方々に支えられています。
会員になるには下記の郵便口座に年会費をお振込みいただくか、 直接JFSA事務局まで直接お持ちください。
●2012年度(2012年10月〜2013年9月)分の会費になります。
●会員(正会員)には総会の議決権があります。
●会員、支援メンバーには年3回の会報と、 年1回サポーターグッズ(アルカイールの生徒が作ったものなど)を郵送いたします。
※サポーターグッズのサンプルはこちらからご覧ください。

◆郵便振替口座番号 00160-7-444198
◆加入者名 JFSA
≪年会費≫
【 会員(正会員)】

個人1口\5,000-/団体1口\50,000-
【 支援メンバー】
個人1口\2,000-/団体1口\10,000-


※通信欄に「会員」または「支援メンバー」「個人」または「団体」口数をお書き添えください(郵便振替用紙サンプルはこちらからご覧ください)。
※カンパ金をご入金いただく場合も上記口座をご利用ください。通信欄には「カンパ」とお書き添えください。
ボランティア募集中
 
JFSAでは活動を支えるボランティアを募集しています。
【作業内容】
@和服の選別、ハギレ作成、値段付け、など
A寄付された切手などの整理。
B会報などの郵送準備作業。
Cパキスタンへの古着コンテナ詰込み作業など。
Dフリーマーケットやチャリティ古着バザールなど古着販売に関わる補助作業。
【作業日】
作業内容により異なります。JFSA事務局へお問合せください。
【作業場所】
D以外はNPO法人JFSA事務局で行います。
*参加ご希望の方はJFSA事務局までお気軽にお問合せください。*ボランティアは無償で、交通費などの手当てもありません。ご了承ください。
ボランティア募集中
【NPO法人JFSA事務局】
住所:〒260-0001
千葉市中央区都町3-14-10
業務時間:10:30〜19:00
(木曜定休)
電話/FAX:043-234-1206
E-mail:jfsa@f3.dion.ne.jp

 第32回のコンテナ送り出しを2010年2月3日(水)に行いました。積み込み重量は22529KG(正味量)でした。
 今回は25名のボランティアの方々に参加していただき、無事に送り出すことができました。
次回第33回送り出しは、パキスタンよりムザヒル校長、カユーン氏、ママダリ氏の3名を招日中の6月2日(水)を予定しています。

積み込み作業終了後、恒例の記念撮影→

終わる時間が遅くなってしまったため、人数も半減。とても寒い中、お手伝いいただいたみなさま本当にありがとうございました!!




 ●JFSA海外衣料支援センター作業コラム 
         〜選別作業の中で思うこと〜
                       国内事業担当 事務局 入江賢治


 JFSA海外衣料支援センターには全国から年間90トン以上(08年度回収量:93トン351キログラム)の古着や毛布、バッグなどの荷物が届きます。北は北海道、南は石垣島から荷物が届いたこともありました。封筒にハンカチを一枚だけ入れて送ってくださる方も入れば、30キロ以上あるような大きな荷物まであります。
 それらの荷物は @重さの計量 A一次選別 B二次選別 と仕分け・選別を行い、パキスタン送り
出し用(圧縮し梱包)と国内販売用在庫となります。選別作業はすべて手作業です。荷物の袋を開け、一
枚一枚、一点一点、手に取り、選別を行っていきます。年間回収量を90トンとし、仮にすべてTシャツ(1枚:200グラム)だったとしたら、45万枚ものTシャツを選別していることになります。

●届いた古着から想像すること
 衣類は私たちの生活とともにあるものです。さまざまな場面であったり、場所であったり、出来事であったり、感情や気分まで・・・着る人とともにあったことでしょう。選別作業を行いながら、時々、そんな衣類に残った香りのような思い出を感じ、想像することがあります。荷物の袋を開けた瞬間には、その人・家族の思い出が飛び出してくるような気がします。名前が書いてあったり、よごれがあったり、逆に着ることがなかったのか真新しい子ども服。紳士用背広は実際の重さより重く感じる気がします。私は自分が小学生の頃にかぶっていたものと同じヤクルトスワローズの青い野球帽を見ました(兄は赤い広島カープをかぶっていました)。どんな人がどんな暮らしの中で着ていたのだろう。想像してみても事実とはまるで違っているかもしれません。しかし、「古着のリサイクル」という現場から想像をめぐらすことで、私たちの暮らしや社会のあり様を別の角度から見ることができるように思います。



ミッキーの子ども用Tシャツ
どんな子が着ていてこれからどんな子が着るのかな?



●古着の行方に暮らす人々について想像すること コンテナで送り出した古着を追いかけていくと一体どんな人があなたの古着を着ているのでしょう?どこの国のどの民族のどの宗教のどんな言葉を話すどんなところに住むどんな仕事をしているどんな家族のいるどんな悩みを抱えている・・、
子ども?女性?男性?おじいちゃん?おばあちゃん?・・・。なかなか想像はできません。でも、古着を通して生まれるその人とのつながり。JFSAに古着を送ることが、古着の行方について想像し、そのつながりについて考えるきっかけになればと思います。

 古着は経済的に豊かな国日本から貧しい国パキスタンへとながれます。パキスタンには古着を着なければならない貧しい生活はありますが、そこに住む人の心はが貧しいわけではありません。JFSAは具体的に人から人へと古着を動かす中で見えてくる、私たちの暮らしと古着の行方の暮らしの両方について考え、伝えていきたいと思います。



「パキスタン派遣報告」


 【パキスタン派遣を何故行なっているのか、どんな目的があるのか】
                 海外事業担当 事務局 西村光夫


 
こどもや先生へのインタビューの様子



 JFSAは14年前(1996年)、コンテナでパキスタンへ古着送り出しを始めてから現在に至るまで、必ずコンテナの到着に合わせて事務局員をパキスタンへ派遣してきました。その派遣の理由と目的はふたつあります。
 ひとつは、アルカイールアカデミーのもとにJFSAの古着が確実に届いたのかどうか、それがどのように販売され、どのぐらいの利益を得たのかを確認することです。そして、古着販売事業を推進するための協議を行なうことです。

 私たちはJFSAを立ち上げる際に、現地の古着マーケットの調査を行なったのですが、その時至るところのバザールで日本から送られたと思われる救援物資が売られているのを見ました。それでバザールで売られるまでの流れを調べました。分かったことは、税関検査の段階でコンテナから品物が抜かれてしまうこと、輸送段階でも輸送業者によって抜かれてしまうこと、難民キャンプの配布担当者がネコババすること、そして、難民の人びとの中には現金の必要性から難民キャンプにやってくる業者に売り渡しているということでした。このような状況を知り、アルカイールアカデミーの教育支援にとJFSAに古着を送って下さる皆さんへの責任を果たすためにも、現地へ事務局を派遣して見届けることが必要だと判断したのです。

 残念ながら、現在も救援物資等がマーケットに流れてしまうような状況は変わってはいません。それで現在も派遣を継続して行っています。(救援物資を送っている団体の中にも、そのような状況に対して何らかの対応策を取っているようです) また、古着販売事業推進のほか、新たな事業の取り組みのマネジメントも行なっています。

 ふたつには、JFSAはアルカイールアカデミーのスラムの子ども達の教育支援を支えることを目的としていますので、派遣時にその教育事業の実態を直接確認することです。アルカイールアカデミー理事会に教育事業の実態の報告を受けるとともに、学校訪問、子ども達
へのインタビュー、働きながら学ぶ子どもの労働現場の見学、先生と共に家庭訪問なども行っています。



●第32回コンテナ受け渡し確認         
            海外事業担当 事務局 西村光夫


 今回のコンテナのカラチ港到着は、3月1日の予定でしたが3月20日に延びてしまいました。中国の春節(お正月)の時期と重なりコンテナ船の経由地シンガポール港で20日ほど足止めされてし
まったのです。コンテナの港からの搬出は、税関検査を受けた後カラチ港到着から1週間後の3月27日となり、その日にコンテナ荷降ろしを行ないました。 



やっとカラチ港に到着したコンテナ
このあと卸業者の倉庫で荷降ろしをする



○卸業者との卸価格交渉
 卸業者と価格交渉を行なう前に、JFSAとAKBG(アルカイールビジネスグループ)は、今回のコンテナに積載されている古着の種類とそれぞれの重量が記載されているパッキングリスト、コンテナ輸入に掛かった経費の総額、為替のレートなどをもとに希望販売価格を算出します。前回(31回)の価格は56ルピー/KGでしたが、パッキングリストによると今回は小売価格の高いものが前回よりも多いこと、為替のレートはルピー安が続いていることも考慮して64ルピー/KGを希望販売価格としました。(但し、バッグについては別価格で交渉することを業者との間で取り決めています)そして交渉の進め方も話し合いました。前回と同様、卸業者に先に価格を提示させて、(卸業者は毎回かなり低い価格を提示します)その価格とこちらの希望価格との差額を希望価格に上乗せした価格で提示することにしました。

 交渉は2回行ないました。第一回目は、価格の提示をどちらが先に行なうかで揉めました。交渉が進まなくなると交渉とは関係のない政治のことや宗教の話へと流れていきます。パキスタンの男性は話し好きが多いので夜の12時をあっという間に過ぎていきます。これではらちが明かないと判断して、立会人という立場から次のように発言しました。「卸業者さんは交渉を長引かせたいと考えているようなので、この話は明日にしませんか」と。卸業者は毎回の交渉をもっと早く終わらせてほしいと言っていたので、この発言は効果てき面でした。卸業者は、すんなりと52ルピー/KGを提示しました。それを受けてJFSAは74ルピーを提示して第1回目の交渉は終わりました。(JFSA は交渉のアドバイスは行ないますが、交渉の最終決定はAKBGが行なうものと考えています。ですから交渉の場とは距離を置いて立ち会っています)

 第2回目の交渉は相変わらず様々な雑談を交えながらも少しずつAKBGの希望販売価格に近づいてきました。卸業者は61ルピー/KGまで上げてきましたが、これが最終提示価格だと言い、AKBGも63ルピー/KGを譲りませんでした。それで、第2回目の交渉は終わることにしましたが、卸業者とAKBG代表のムザヒル氏が話し合って最終価格を決めることになりました。
 その後、コンテナが港から搬出される前日に62ルピー/KGで妥結しました。



@  A 
@コンテナを開ける。今回は荷物が抜かれていない様子
A軽トラに荷物を積んで倉庫まで何往復も運ぶ

B
B皆で一緒に作業するのは、JFSAと同じ


価格交渉のようす↑
話し合いのようすを部屋の外で見守る西村



 【第32回コンテナ送り出しでアルカイールアカデミーが得た利益】     
        (1ルピー=1.08円)
 <収入>
 ・卸売(バッグを除いた古着等)20609KG×62ルピー×1.08円
 =1379979円
 ・バッグ類 1920KG×140ルピー×1.08円
 = 290304円
 ●収入合計  1670283円
 <支出>
 ・日本サイド(海上運賃、通関手続き料、古着代金など) 448090円
 ・パキスタンサイド(関税、通関手続き料など) 122585円
 ●支出合計 570675円
 <利益> 1099608円
     
 *前回31回の利益を92.3万円でバッグの利益を含まないと記載しましたが、      
  含まれた金額でした。訂正を持ってお詫び致します。


●街の古着屋さん 
  柏店kapre(カプレ)担当事務局 田辺航太郎

 


 2010年1月8日から15日まで、パキスタンに行ってきました。今回の主な派遣目的は、アルカイールアカデミー訪問と古着の買い付けです。

 期間中の1月11日は古着卸業者のワリー氏の誕生日でした。その日は彼の伯父さんが用意したバースデイケーキを、買い付け作業の昼の休憩時間に一緒にいただきました。日本とパキスタンでは食文化が異なるせいか、ケーキの場合、見た目が一緒でも味に大分違いがあります。正直自分は苦手なのですが、このとき食べたケーキは美味しかったです。パキスタンでは、もともと誕生日を祝うということは一般的ではないらしいのですが、都会や裕福な家庭では行なっている家もあると聞きました。

 そしてこの時期は、日中汗ばむほどの陽気ですが、朝晩は上着がないと寒いという気候でした。パキスタンの中で、古着を扱う業者の多くは、アフガニスタン国境付近出身の部族、パシュトゥーンが多いのですが、彼らは民族衣装を着ていることが多く、洋服を着ている人はあまり見かけません。ですが、冬の時期に羽織る上着やセーターは洋服が多いようです。そのパシュトゥーンの中に、古着の荷下ろしなどの力仕事を専門に行なっている人たち(マズドゥーリー)がいます。JFSAが送った古着も彼らによってコンテナから荷下ろしされます。古着卸問屋街ハジケンプを歩いていると、仕事道具である荷物を引き寄せたり持ち上げたりするためのカギ棒を持っているので、一目でマズドゥーリ−とわかります。

 また、彼らは上着としてM-65というアメリカ軍のジャケットをよく着ています。M-65は1965年にアメリカ軍によって正式採用され、1990年ごろまで納入されていたジャケットで、使い勝手がよく、ファッションとしてもテレビや映画で多くの芸能人が着ていたこともあり、日本でも人気があります。JFSAから送られている古着の中にもよく入っています。もともと軍の防寒着として開発されているため、暖かく、丈夫で、動きやすいため彼らの仕事着として適しているのだろうと思います。これらはハジケンプにある軍服の古着屋で多く売られています。
 アメリカ軍や日本のファッションと、パキスタンで力仕事をしている人たちが、古着のリサイクルでつながっています。それぞれは遠い存在のようですが、生活の中で結びついています。




上に描かれている絵や文字は、赤や緑や黄色など、
カラフルなパキスタン風です。



●縫製工房設立に向けて
        協働事業担当 事務局 田邉紀子


 今回の派遣には、お二人の方が同行しました。経済状況の悪化から、強盗などの犯罪が増えていることもあり、派遣(同行)者への安全の配慮と同時に、事故が起きた場合に、私たちを受け入れるAKBGが受けるダメージも心配でした。JFSAでは臨時理事会を開いて協議し、AKBG理事会も受け入れの安全性について話し合いました。移動はハイエースで行い、必要があればガードマンをつける準備もしましたが、無事にスケジュールは予定通り実施できました。

 町の様子はいつもと同じに見えましたが、アルカイールアカデミーでは、家で食事が食べられずに給食を食べる生徒が、1000人(生徒の約4割*昨年8月の派遣時には700人)に増えていました。給食は、学校の中の調理室で2人の女性が作っていますが、挨拶にのぞいたときも、チャパティ(小麦粉を練り、薄く延ばして焼いた主食)を作る手を休むことなく動かしていました。
 


@   A
@布地屋さんにて                    Aタスニームさんに教える深澤さん


 
JFSAの協力団体「ファイバーリサイクル四街道」(FR四街道)から、設立15周年の記念品ティッシュボックスカバー50個の製作がAKBGに依頼されていました。同行された村上さんは同会の代表で、パキスタン訪問は3回目になります。記念品についてAKBGに希望を伝え、バザールに行って布地を選びました。店の棚一面には、カミューズ(ワンピース型の上着)・シャルワール(たっぷりしたパンツ)・ドゥパタ(大きなストール)用の3点セットの布地がきれいに積み上げられていて、店員のお兄さんが次から次へと広げて見せてくれました。もう一人の同行者の深澤さんは、縫製の仕事を専門にされていた方で、副校長のタスニームさんと職業訓練所縫製課の先生に、実際にミシンを使ってポイントを伝えました(*製作は、学校の先生と生徒たちが、放課後の時間を使ってボランティアで行い、4月初旬に帰国した西村事務局が持ち帰りました。飾りの刺繍は大好評でした。問題のあるところはFR四街道の方にチェックしていただき、AKBGに詳しく伝えることにしました。)
 JFSAではAKBGとともに、学校を卒業した女の子たちが働く、縫製工房を立ち上げる計画をすすめています。今回、記念品の製作依頼を受けたことは、注文に応えて製品を仕上げるための貴重な経験となりました。FR四街道の皆さん、同行された代表の村上さんと深澤さん、製作した先生方と生徒たちの協力の成果を、今後につなげていきたいと思います。





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