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会報27号より *写真をクリックすると大きく表示されます

招日報告
ムザヒル氏・タスニーム女史・サルマ女史・サリーム君が来日
海外事業担当事務局 西村光夫

会員になるには
JFSAの活動は会員の方々に支えられています。
会員になるには下記の郵便口座に年会費をお振込みいただくか、 直接JFSA事務局まで直接お持ちください。
●2013年度(2013年10月〜2014年9月)分の会費になります。
●会員(正会員)には総会の議決権があります。
●会員、支援メンバーには年3回の会報と、 年1回サポーターグッズ(アルカイールの生徒が作ったものなど)を郵送いたします。
※サポーターグッズのサンプルはこちらからご覧ください。

◆郵便振替口座番号 00160-7-444198
◆加入者名 JFSA
≪年会費≫
【 会員(正会員)】

個人1口\5,000-/団体1口\50,000-
【 支援メンバー】
個人1口\2,000-/団体1口\10,000-


※通信欄に「会員」または「支援メンバー」「個人」または「団体」口数をお書き添えください(郵便振替用紙サンプルはこちらからご覧ください)。
※カンパ金をご入金いただく場合も上記口座をご利用ください。通信欄には「カンパ」とお書き添えください。
ボランティア募集中
 
JFSAでは活動を支えるボランティアを募集しています。
【作業内容】
@和服の選別、ハギレ作成、値段付け、など
A寄付された切手などの整理。
B会報などの郵送準備作業。
Cパキスタンへの古着コンテナ詰込み作業など。
Dフリーマーケットやチャリティ古着バザールなど古着販売に関わる補助作業。
【作業日】
作業内容により異なります。JFSA事務局へお問合せください。
【作業場所】
D以外はNPO法人JFSA事務局で行います。
*参加ご希望の方はJFSA事務局までお気軽にお問合せください。*ボランティアは無償で、交通費などの手当てもありません。ご了承ください。
ボランティア募集中
【NPO法人JFSA事務局】
住所:〒260-0001
千葉市中央区都町3-14-10
業務時間:10:30〜19:00
(木曜定休)
電話/FAX:043-234-1206
E-mail:jfsa@f3.dion.ne.jp

 JFSAは毎年、児童労働反対世界デーの6月12日(ILO国際労働機関が定めた日)、あるいはJFSA定期総会(11月初旬から中旬頃開催)に合わせてアル・カイールアカデミー関係者(2名〜3名)を10日間前後、招聘しています。

 今年度は、「国境を越えた子育て応援」、「新しい雇用を作り出す」、「衣類のリユース・リサイクルのひろがり」の3つの柱を立て『ファイバーリサイクル事業センター』を2010年に設立された社会福祉法人グリーンコープ・ファイバーリサイクル事業部と連携した招聘を行ないました。
招聘期間は2011年10月23日から11月11日の20日間で、招聘した方達はアル・カイールアカミー代表ムザヒル氏、アル・カイールアカデミー本校校長タスニーム女史、アル・カイール事業部縫製工房技術指導者サルマ女史、アル・カイール専門学校生サリーム君の4名で した。
そして、招聘スケジュールは次頁の通りでした。10月23日から31日までの社福グリーンコープ・ファイバーリサイクル事業部と連携した招聘は、ムザヒル代表とJFSAにとって今までになく刺激的で有意義なものでした。
 10月25日に福岡国際会議場で1000人以上のグリーンコープの組合員の皆さんの参加のもとに開催された「ファイバーリサイクル報告会」では、グリーンコープの組合員の皆さんのファイバーリサイクル事df業部の活動目的に対する強い関心と期待を感じ圧倒されました。
 各単協の組合員の皆さんで演じられたファイバーリサイクル・ファッションショーはとても楽しいプログラムでした。古着のリサイクルを楽しみ、自分たちの暮らしの目線で、古着の行方の向こうで厳しい暮らしの中「懸命に学ぶ子ども達」を見つめ続けようとされる組合員の皆さんに、ムザヒル代表も感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになったと話してくれ ました。
また、宿泊先となった遊学山荘、さわら福祉複合センター、やすらぎの家、デイサービスひろしまでは、介護職員の方々や、それぞれの地域のグリーンコープの組合員・職員の方々の熱い歓迎を受 けました。
このような歓迎に、初めての訪日であったアル・カイールアカデミーの卒業生であり縫製工房の技術指導者でもあるサルマ女史とアル・カイールアカデミーの専門学校の生徒サリーム君は、国境を越えてスラムに住む子ども達や自分達を応援する人々の存在を強く感じ取ったようでした。

11月1日から11日までのJFSAの招聘プログラムでは、ムザヒル氏と生徒のサリーム君が協力団体会員や団体支援メンバーであるパルシステム千葉、アーシアン、生活クラブ東京、生活クラブ虹の街、大地を守る会、社福風の村、麻の葉、生活クラブ茨城、ポラン広場を訪問しました。
大地を守る会の女性職員との夕食交流会、生活クラブ稲毛ビレッジでの組合員・職員の方々とともに作ったパキスタンカレーの昼食をはさんだ交流会は、毎年訪日しているムザヒル氏に特に印象に残る交流会であったようです。
 そして、JFSA、アル・カイ―ルアカデミー相互の活動の理解を深めるために、アル・カイールアカデミーへのコンテナ送り出し荷積み作業、JFSA定期総会への参加、その後の学習会でのディスカッションを行ないました。また、今年度からフェアトレードの新事業として取り組みを予定している「スラム地域内で生産されている素焼の陶器販売事業」を具体 化するため笠間の窯業訓練センターを訪問しました。
そのスラム地域に住んでいて、家族とともに陶器づくりを行ないながらアル・カイールアカデミーで学んでいるサリーム君は、窯業訓練センターの職員の方の説明を熱心に聞いていました。その熱心さは、かならずや今後この新事業を支えていく核になるだろうと思いました。


グリーンコープでの報告会 

笠間市陶芸の丘で記念撮影


 「パキスタン派遣報告」
海外事業担当事務局 西村光夫


【派遣期間】
● 2011 年11 月28 日〜 12 月9 日(12 日間) 
 JFSA 事務局 西村光夫 田邉紀子
● 2011 年12 月2 日〜 12 月9 日(8 日間)
 深澤さん(縫製技術指導) 同行者 小坂さん(深澤さんの友人)

1.AKBG事業の推進
◎縫製工房設立計画の推進協力
*縫製技術指導者である深澤さん、その先輩であり同じく縫製技術者である小坂さんに工房運営・管理及び作成中のエプロンの縫製技術の指導をして頂きました。
現在の工房の現状について様々な指摘を受け、その問題の解決について具体的な提案をして頂きました。
*社福風の村とグリーンコープからオーダーを受けているエプロン製作について、生地、縫製技術等の課題が発生していますが、1月からの西村の長期滞在期間中に深澤さんと連絡を取りながら、これらの課題の解決を図ることにしました。


2.アル・カイールアカデミー教育事業の確認
◎カチラクンディ分校
*数年前からカチラクンディ分校のあるゴミ処分場を囲む丘陵の外側が、住宅地として整備されていました。その一角をカチラクンディ分校の新校舎建設のために、アル・カイールアカデミーが購入しました。ゴミ処分場内にある現在の校舎では初等教育を行ない、新校舎はゴミ処分場の周辺の村の子ども達(村の近くに学校がなく、教育の機会が得られない)に主に中等教育を行う計画を立てています。土地代金150万円の1割(15万円)を前金として支払ったということでした。
そして、残金について は、フェアトレード事業等の利益から支払う計画を立てるので、購入資金をJFSAからソフトローンで貸し付けてもらいたいという要請がありまし た。校舎建設費用については現地ドナーからの寄付金を取り付けていました。  
要請の詳細については、早急にレポートを提出して貰うことにしました。このレポートを基に、返済の具体的な計画案を確認して承諾する予定です。

◎青空学校(ケート村)  11月29日、田邉と西村が学校を訪問しました。
モンテッソリー教育の研修を受けた先生と、その助手をしている先生の二人で授業が行われていました。アル・カイールアカデミ―は約2カ月に一度、ムザヒル氏やアル・カイールアカデミーの先生を送り、青空学校の先生のトレーニングを行 なっています。
 青空学校が設立されてから6年が経ちました。今回の訪問で村人との話し合いも行ないましたが、村人の青空学校への信頼はより深くなったと感じました。


新しいカチラクンディ分校(左奥)と分校の案内板横に立つタスニーム女史

青空学校での授業風景

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「縫製工房設立に向けて」
事務局 田邉紀子

今回の派遣では、縫製技術指導者の深澤さんと、深澤さんの先輩の小坂さんにも同行していただきました。そして、前回7月の派遣の後に「社福風の村」から注文をいただいたエプロン製作をすすめながら見えてきた課題を、AKBG、縫製工房のスタッフといっしょに確認して、今後の対策を話し 合ってきました。
深澤さんには、11月上旬にJFSAに届いた「社福風の村」のエプロンを、派遣前にいっしょに点検していただいていました。「ステッチが予想していたよりもずっとよくできています。嬉しいです。」という深澤さんの言葉にほっとしましたが、生地の織傷や染めムラ、汚れの付着、糸の始 末、ボタンホールの仕上げなどの問題もあり、深澤さんと小坂さんにはスタッフの技術指導をしてもらいました。
深澤さんの訪問は今回で3回目になりますが、「教えるのではなく伝える」という彼女の姿勢にスタッフが信頼感を寄せていることが感じられ、工房に顔を見せた彼女を皆で囲んで再会を喜んでいました。

 工房では10人の女性達が仕事をしています。リーダーのサルマさんは9歳と5歳の子どものお母さんで、子どもたち二人はアル・カイールアカデミーの生徒です。サルマさんは夫が経営していた縫製工場の仕事をしていましたが、1年前に夫を病気で失い工場を続けられなくなってしまったそうです。
いちばん年下のアリヤさんは16歳、いちばん年上(おそらく)のシャヘバさんは5人の子どものお母さんです。19歳のティナさんは学校に通ったのは3年間で、おじいさんがなくなった後に家族が引越しをしたので学校を止めたと言っていました。
アイロンかけを担当しているザキアさんは24歳で、学校に通いたかったが行けなかった、この工房が学校の中にあってここに来て仕事ができるのが嬉しいと話してくれました。

 縫製工房の取組みは、アル・カイールアカデミーの教育支援事業によって培われてきたスラム地域の人間関係に基づいて、女子生徒やその家族が主体となって事業を行ない自立することを目指して始めました。
工房で働いているスタッフの技術や経験は一様ではありませんが、こうして皆で協力して製品を作る過程を通じて、仕事に誇りを持てる働き方を作り上げていくことに、一人一人がそれぞれの期待を抱いて関わっていることが感じられました。
 今年3月には縫製工房のオープンセレモニーを予定しています。工房のスタートに向けて、今回のエプロンのオーダーをいただいている「社福風の村」、「グリーンコープ」のご協力で課題もいろいろ見えてきました。今いるスタッフも、家族の事情の変化や結婚などで関わっていくことがむず かしい状況になることも予想されます。そうした具体的な課題をともに考え、解決のために協力していく事業起こしを通じて、ひとつひとつ乗り越えていく力を一緒に育てていきたいと思っています。


深澤さんと再会を喜ぶ縫製工房スタッフ

縫製工房のスタッフ、AKBG事務局といっしょに

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「JFSA第9回定期総会報告・2010年度活動の報告」

 2011 年11 月9 日に、第9 回定期総会を行ないました。議長は菊池謙さんにお願いし、議案はすべて承認されました。今回は、役員の改選期に当たります。役員には次の方が就任されました。総会後の第1 回理事会で、理事長には田邉紀子さんが選出されました。  また、理事の三井田秀子さん、畑山文恵さん、奥野卓巳さんが退任されました。長い間ありがとうございました。


  ■ 2010年度の報告(2010年10月〜2011年9月) ■
●2010 年度には、個人会員148 名、個人支援メンバー1103 名、団体会員9 団体、団体支援メンバー6 団体の方が入会されました。ご協力ありがとうございました。
●古着回収量:86トン300キログラム 古着を送ってくれた方(グループ):9,483人
●古着等販売事業収入:4,467万円 会費・活動支援金( 寄付):660万円 
その他:241万円
●パキスタンAKBG への古着輸出:45トン698キログラム
( 回収量の53% 前年比23トン872キログラム減)
*2010 年度はパキスタンへの古着輸出が3 回の計画のところ、2 回しか実施できませんでした。2011 年度は4 回を計画しています。AKBG の純利益:185万円( 前年度より減)
収入合計   53,697,033円
支出合計 60,194,568円
収支 −6,497,535円
前期繰越収支差額 7,539,355円
次期繰越収支差額 1,041,820円

  ■ 2011度基本方針(2011年10月〜2012年9月) ■
1. 年間130 トンの古着類を回収し、アル・カイール事業グループ( 以下AKBG)に94 トン を送ります。36 トンは国内販売および輸出用在庫とします。
2. アル・カイールアカデミーの現在の運営( 資金・教育活動) を、アル・カイールアカデミーと共に検  証して、目指すべき運営自立を支援するための事業を推進します。
そして、その事業活動のプロセ  スに於いて、子どもたちの生活基盤を支えるために親・卒業生の就労の創出に努めます。AKBG と  ともに、子どもたちにはその事業に沿った職業訓練を行ない、将来その事業を支える人材として育  てます。
3. 国内事業活動を推進します。
4. 広報活動を充実し、多様な人々に活動への共感と理解を広げます。
5. 市民事業・海外支援の理念を深めるために研修を行ない、活動の中身を豊かにすることを目指します。
6. 多様な団体との連携を進めます。
7. アル・カイールアカデミーとの交流の目的を明確にして、教育事業を支援する活動を推進します。
8. 国内事業、海外事業のすべてにわたって危機管理を徹底します。


総会終了後は、現在選別協力団として古着の仕分け・販売をしていただいている5 団体の紹介を行ないました。各団体数分でしたが、一団体ずつお話をしていただきました。

昼食後は、ムザヒル校長からアル・カイールアカデミーの報告、サリーム君からパキスタンの洪水復興支援の報告をそれぞれ行なっていただきました。  参加者からは、学校の教育に関する質問や、縫製工房に関する質問、初めて日本を訪れたサリーム君に対して、日本の印象は?などといった質問が出ました。

映像を使ってパキスタンの様子を説明


参加者と記念撮影

監査報告書
2011年10月21日
                         監事 池田 徹  野田 克己



 2010年10月1日から2011年9月30日までの、「日本ファイバーリサイクル連帯協議会」の事業と活動、および、決算と会計諸表について監査した結果、事業と活動は総会の決定にもとづいて滞りなく遂行さ れ、決算と会計諸表は適正に処理されていることを確認いたしました。
今年度は、東日本大震災と福島原発事故という未曽有の大惨事が、わが日本列島を覆い、またパキスタンにおいても不安定な政情が続くなど、厳しい状況のもとでの活動となりました。古着の回収は、前年比では人数、回収量とも増やすことができたものの、当初目標には届かず、送り出しは2回しか実行できませんでした。
その影響で売上利益は約79万円減少し、また、2010年10月に開設した「東葛センター」や2名のスタッフの新規採用などにかかる諸経費の増加などにより、約650万円の赤字決算となりました。
加えて、ムルタン焼のフェアトレードの取り組みの断念、都立公園でのフリーマーケット出店の規制など、困難な事態も生じました。

 しかし、「雨降って地固まる」とのことわざどおり、新たな陶器の生産、縫製工房設立の準備がすすみ、ソーラーシステムの現地事業化の検討が始まるとともに、国内事業においても「千葉センター」の継続利用と「東葛センター」の新たな拠点としての展開、人員増によるフットワークの厚み増など、次年度への運動と事業への見通し感は、堅調に確保できていると思われます。
あわせて、3回にわたる事務局の長期派遣などを通じて、洪水被災復興支援や縫製工房設立支援など、「連帯活動」を展開することができました。

 監査では、事業計画をしっかり組み立てて収支の改善を図ることや、会員・支援メンバーのさらなる拡大など、今後のJFSAの発展の礎づくりが話題となりました。
JFSAの活動目的に共感する若い世代が活躍できるネットワークとしてさらに成長させていきたいものです。
役員、職員はもとより、会員の皆さま、団体会員や支援メンバーの皆さま一丸となって、邁進していきましょう。




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