第39回コンテナ到着報告 皆さんが送って下さった古着等はこのようにパキスタンに届き
アル・カイールアカデミーの子ども達の学びを支えています。 海外事業担当事務局 西村光夫
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7月初旬 ● 「信頼」と「利益」との間で心が揺れる卸売業者選び コンテナ到着の約2週間前、これまでと同じ卸売業者ワリー氏に古着を売るか、別の大手古着輸入業者に売るのかアル・カイールアカデミービジネスグループ(AKBG)の理事会で協議しました。 大手業者はワリー氏の購入価格の2倍を提示。ムザヒル校長はこの業者に売ることを提案しました。しかし、JFSAは今までのワリー氏との信頼関係を大切にし、お互い事業として成長する関係を作り上げていきたいと伝えました。 ムザヒル校長も理事も同意し、ワリー氏に売ることにしました。 7月19日 ● 学び育つ力を大きくするための卸売価格交渉 コンテナ到着の前日、ハジケンプ(古着卸問屋街)にあるワリー氏の倉庫兼事務所で今回の古着卸売価格の最終交渉を行いました。交渉はJFSAがパキスタン国内の相場から計算した希望価格(62円/1kg)より2円高い64円/1kgで決着。 AKBGの純利益は約77万円となりました。パキスタンの物価は日本の約1/7ですから、純利益の価値は日本円で約500万円になりました。これは200人の子ども達が1年間学べるお金です。 日本の衣類等のリサイクル率は10%程で90%は焼却されゴミになります。しかし、JFSAのリユース(再利用)の流れに託して頂ければ、スラムの子ども達が学び育つ力となります。 7月20日 ● 無念な今回の税関の検査 AKBGが通関手続きを依頼している業者から、「税関が荷出し検査」を行うと連絡が入りました。税関の検査には書類検査、X線検査、荷出し検査の3種類があり、荷出し検査が最も厳しいのです。 全ての荷物をコンテナから出し、無作為にベールをカッターで切り中味を調べます。今回は半数近いベールが切られていました。そして、衣類の一部は盗まれ、古着の重さが約50kg減っていました。 このような事は最近無かったのですが。のれんに腕押しかとも思いますが、税関に抗議しました。 7月28日 ● 治安の悪い地域でのコンテナ荷降ろし作業通関業者から検査をパスしたと知らせを受けました。 7月21日より断食月(ラマザーン)が始まっており昼間に荷役労働者を確保しにくいので、7月30日の夜、荷降ろしを行おうと考えました。 しかし、ワリー氏からこの地域は最近銃撃戦などがあり非常に治安が悪いため、夜の作業は避けるべきだとアドバイスがありました。急遽7月31日の午前中に行うことにしました。 残念なことに、インド系のムザヒル校長、学校の卒業生は民族抗争の関係でこの地区に入ることができず、荷降ろしには参加できませんでした。そのため、荷降ろし作業は荷役労働者2名とカユーム氏(北方ハザラ族)とパターン人に似ていると言われる西村の2名。 そして、いつもは見物を決めこんでいるワリー氏の5名で行いました。気温36度前後の炎天下、断食のため水も飲めず、通常3時間のところ4時間程かけて荷降ろしを終了しました。 ● 一部司法機関の腐敗 毎回必ずやってくる警官の賄賂ねだりは、断食のためなのか1台のパトカーのみ。ワリー氏の支払いは500円で済みました。 ワリー氏に一度、正式な手続きで道路使用許可は取れないのかと聞いたことがあります。しかし『許可証は警察署が発行する。しかし許可証を得るのに何度も警察に足を運び、5000〜8000ルピー(4000円〜6400円)ほど幹部に要求される。手間も金も数倍は掛かる』そうです。 このように、パキスタンでは「法律を守らない者」を取り締まる司法機関(税関、警察の一部)が不正を働いてます。法律がお金や権力によって歪められることは、この国にとって最も不幸なことだと思います。 |
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臨時総会報告 理事長 田邉紀子
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2012年6月27日(水)に、臨時総会を開いて定款変更を行いました(変更は下記の内容)。 これは、2012年4月1日に一部が変更された特定非営利活動促進法(以下NPO法)が施行され、これによりJFSAのこれまでの定款の解釈が変わってしまうための変更でした。 JFSAがNPOの法人格を取得したのは2003年3月(2002年11月の総会で決定)でした。今の定款はこのときにつくったもので、県のモデル定款や他のNPO法人の定款を参考にしながら、できる限り活動の目的にあったものを作るために検討を重ねました。 今回のNPO法変更ではNPOへの寄付税制の変更への注目が高かったのですが、代表権に関わる変更もあり、従来の定款では理事長だけが代表権を持つと解釈されることになりました。 現在JFSAには総会で選ばれた12人の理事と2人の監事がいます。理事長は、理事の互選で決めています。また事務局(現在8名)は全員が理事になり、事務局として計画を実行すると同時に、理事として決定に責任を持ち運営を担っています。そして、理事会は月に1回、事務局会議は週1回行なって、必要なことを検討し、確認しながら運営をしています。 こうした運営の実態が反映されるように、理事会では、これまでどおりすべての理事が代表権を持って運営をするための変更を提案して臨時総会を行い、提案が承認されました。 これまでの定款 第15条 理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する。 2.理事は、理事会を構成し、この定款の定め及び理事会の議決に基づき、この法人の業務を執行する。 変更後の定款 第15条 理事長は、この法人の業務を総理する。 2.理事は、この法人を代表し、理事会を構成し、この定款の定め及び理事会の議決に基づき、この法人の業務を執行する。 |
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JFSA古着ショップがリニューアルオープンします!! JFSA事務局国内事業千葉ショップ担当 大橋紀子
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●お礼 今から14年前、1998年12月11日に「JFSA海外衣料 支援センター」として、今の場所がオープンしました。古着の販売事業を通してパキスタンのスラム地域の学校「アル・カイールアカデミー」の支援をすることを軸に、地域の人々と一緒に作っていく場としての開設でした。 ●不思議な空間 14年の間には、様々なことがありました。2004年10月までは倉庫の半分を借りていましたが、もう半分が空いたため、全部借りることにしました。そして、2009年12月には、倉庫に隣接する事務所・ガレージも空き、そちらも合わせて借りることにしました。 2010年には、千葉県柏市に東葛方面の活動拠点として、「JFSA海外衣料支援センター東葛」がオープンしました。 オープン当時のショップといえば、まるで屋内のフリーマーケットといった様子で、リサイクルショップというにはあまりに簡素な光景でした。倉庫のような、お店のような、お客さんにとっては不思議な空間だっただろうと思います。 現在ではお店の面積も拡大し、陳列用の什器や設備もだんだんと整ってきているので、よりショップらしくなっていると思います。その中でも、設立当初の「不思議な空間」としての感覚は失わずにいたいなと思い、日々仕事をしています。 ●この街の人々に支えられて JFSAのショップは倉庫の一画のため、夏は外より暑く、冬は外より寒いという決して良いとは言えない環境です。そんな中、頻繁に足を運んでくださる近隣の方々がたくさんいます。 近くに図書館があるのでついでにと寄って下さる方、犬の散歩や買い物の途中で寄って下さる方、何も買わないけれどもスタッフの顔を見に来ておしゃべりをしていく方…長年来て下さっている方もいれば、初めての方もいます。一日お店に立つだけでも、本当にたくさんの地域の方々に支えられていると実感します。 来て下さる方々は、買い物だけを楽しみにしている方ばかりではないだろうと思います。常にJFSAのことを気にかけて下さっている方々と言ったら良いのでしょうか。 これまで、ショップだけ街中や駅前などもっと人通りのある所へ移転させることを検討したこともあります。しかし、今のショップで日々感じているような出会いは、街中や駅前では難しいのではないか、JFSAとしてはこの場でショップと倉庫一体となって活動を伝えていきたいと考えました。 その頃、ちょうど大家さんから「倉庫に隣接している事務所をお店として建て替えるから、借りませんか?」という提案がありました。 ●人々との関わりから生まれるJFSAの活動 様々な段階を経て、様々な人々と出会い、関わり、これまで14年間この場で築いてきた活動の中から、今回のお話がめぐって来たのではないかなと思います。 これまでショップがあった場所は、倉庫兼作業場となります。より多くの人々が古着の回収や仕分け作業などに参加し、パキスタンへの古着輸出量・国内販売量ともに増やしていき、アル・カイールアカデミーの支援につなげることが目的です。 私たちはこの場所を拠点として、地域の人々と支え合って共に歩んでいける場を目指して活動していくことを、決意を新たにがんばっていこうと決めました。 これから先も、新しくできるショップと共に新たな人と関わりを結んでいき、これまで関わってきた人々との関係もさらに深め、JFSAの活動につなげていきたいと思います。 |
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会報29号より *写真をクリックすると大きく表示されます |