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書籍



●クレール・ブリセ著
『子どもを貪り食う世界』

◆堀田一陽訳
◆社会評論社刊

【訳者の堀田一陽氏によるこの本の紹介】

 クレール・ブリセさんはユニセフ(国連児童基金)フランス委員会の報道局長を務める女性ジャーナリスト。『フィガロ』紙、『ル・モンド』紙の記者を経て、現在も定期的に月刊紙『ル・モンド・ディプロマティック』に寄稿している。
 「わたしたちが暮らすこの世界は子どもを貪り食っている。この世界は子どもたちをまるで愛しておらず、その扱い方はあまりにひどい。子どもたちを大量に戦場に送り込み、みすぼらしい工場で死ぬまで搾取し、あるいは子どもたちに売春を強要し、強姦し、殴打を加えている。
 このような暴力を一掃するための真の取り組みは世界的規模でおこなわれていないのではないか。子どもに対する暴力については無気力が支配しているとしか言いようがない。この無気力には、経済的・科学的「発展」こそがこのような旧時代の残滓の一掃にはぜひとも必要だとのぼやけた考えに対する一種の弱々しい賛同が見え隠れしている。本書が打ち砕きたいと願っているものこそ、この無気力である。」
 世界中に「働く」子どもたちがいる。農業から製造業まで、あらゆるサービス産業で奴隷労働に従事し、その小さい体をかわれて鉱山で、タンカーの油槽内で、織物工場で働かされている。
 「子どもに向けられる戦争」がある。この十年で国際紛争・民族紛争で殺された子どもの数は200万を越える。もはや子どもは社会の脆弱な存在として保護の対象とはされていない。最近の紛争では女性と子どもがことさら攻撃の対象とされている。1994年のルワンダ、『千の丘ラジオ』は「大きいネズミどもを抹殺するために、小さいネズミどもを殺せ」とくり返し、ツチ族の子どもたちが虐殺された。
 村々を回るリクルーターの「狩込み」で徴募され、あるいはさらわれて武装集団に編入される 10歳に満たない子どもたち。リベリアで出会った「復員した」子ども兵士(チャイルド・ソルジャー)は語る、「マリファナとかドラッグをもらったよ。それをやると、もう何も感じなくなるんだ、殺すことしか考えない」。北部ウガンダでは数百人の少女がさらわれ、兵士と「結婚」させられ、炊事・洗濯、性的奉仕を強要されていた。
 「強姦され、盗まれる子どもたち」がいる。アジア、アフリカはおろか、ヨーロッパ全域、南北アメリカに拡がる一方の一大産業と化した児童買春、セックス観光。「新しき愛」なる理論と子どもたちを襲う小児性愛者たち。
 そして「半存在の少女たち」がいる。生後、食べ物もろくに与えられず、世話をしてもらえず、ワクチンもなしに、口減らしに死んでゆく女の子たち。「サリーの火」で焼き殺される女性たち。女性と少女に対する絶滅攻撃は全世界でみられる。羊水穿刺による出生前診断から胎児の段階で殺される女性。「女児虐殺」はさらにつづく。嬰児殺しである。気管に米粒を詰める、エーテルをしみ込ませた綿を圧し当てる、哺乳瓶に毒草を混ぜる、阿片を少々……。一人っ子政策のつづく中国では毎年百万人の女の赤ん坊が抹殺されていることは統計上明らかである。
 成人を控えたイスラムの少女には女子割礼(FGM、女性性器切除)の「慣習」が待ちうける。1979年に国連とユニセフが共催したカルツーム会議以降も現状は改善されない。陰核切除、性器切除、陰部封鎖(縫合)の施術の起源は定かではない。だが、俗に言われているように、イスラムに源をもつものではない。イスラム教発生の遥か以前、キリスト教のエジプト、エチオピア伝播以前からアフリカに見られたからである。
 家庭で「虐待される子どもたち」がいる。わが子を虐待する母……。
 そして最後に、生まれた子どもをことごとく食べ尽くしたクロノスからゼウスの誕生までの神話から始め、ギリシャ・ローマの時代、中世の徒弟制度、ルネサンスから産業革命期へ、「子ども」の誕生と子ども観の変遷を現代まで概括する。
 子どもの防衛の闘いはまだ「敵陣突破ができていない」。いまこそ、この戦線の「無気力」を打ち砕き、子どもたちに向けられる暴力を一掃しよう。

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