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10/8(土)発生したパキスタン北部地震についてのお知らせ
 

 アルカイールアカデミーのムザヒル校長から、今回の地震への支援活動についてメールをいただきましたので、ご紹介します。ムザヒル氏も書いているようにJFSAは被災した人々と、アルカイールアカデミーとの協力で支援をすすめていきます。


JFSAの方々へ

 パキスタンでは毎日TVで大災害のことが伝えられ、またメディアを通して日本でもパキスタンの現状が伝えられていることと思います。何百万人もの被害に遭った人々は地震によって食料や水がないという、かなりひどい環境に苦しんでいますが、メディアが伝えているのはほんの一部です。
 私たちは、多くの家族を失った人々の未来については推し量れません。いくつかの家族はその7割が亡くなりました。残された人々はどうやって兄弟や両親のことを忘れることができるでしょうか?この状況はとても憂鬱であり、もし誰かもしくは政府が、生き残った人々のために何かするとしても時間がかかるでしょう。災害によって壊れてしまった家族が再興するために、また彼らが今まで通りの生活を送るためにはおそらく数年がかかると思います。
今の状況で、あなたたち日本の人々と私たちパキスタン人が、被害に遭った人々に対してすぐに出来ることは現地の状況の把握です。緊急に被害地とその状況に対して有効な援助が出来るのは、私たちと異なるタイプのNGOや、国家もしくは国際的なレベルの団体だと思うからです。
 しかし、このようなNGOや国際団体ができる援助は一時的なものであって、もし私たちが計画的で強固な関係の下で、被災者たちのために協力し合うことができれば、被災地に住む人々からも協力を得ることができるでしょう。なぜならば、そこに住んでいる人々が被災者についてよく知っているからです。
パキスタンで起こった大地震で15、000人もの被害者が出たことで、人々の100%の注意をひきつけたことは事実です。パキスタンのすべての人と世界中の人々が被災された人々を助けたいと思っています。多くの国、そして大小関わらず多くのNGOが人道的な資金援助や物資援助を行う努力をしてくれています。パキスタンの誰一人としてこの災害を心配しない人はいません。
アルカイールアカデミーのメンバーや子どもたち、先生たちや私も含めていつも被災者たちのことを考えています。どうやったら彼らにとって有効な働きが出来るでしょうか。わたしたちはその働きをしたいと思っています。しかしどうしたらいいのでしょうか。
このような状態の中で、人々を助けるという目的のためにJFSAのメンバーがパキスタンに来てくれるというニュースは、私やメンバーにとってとても嬉しいニュースです。きっと協力的な良いアイディアが出てくるでしょうし、私たちが彼らに出来る適切な方法も見つけられるでしょう。世界の歴史の異なる時代において地震や災害は多くの死をもたらし、被災された人は原点から生活を立て直さなければならなくなります。現在は500万人の人々がゼロからの生活をスタートすることになるでしょう。

アルカイール・アカデミー前/ムザヒル校長(写真左)

 一方で、私たちは今の社会の中にある、注目されていない問題が存在しているということも認識しなければなりません。私たちがずっと抱えている大きな問題は、教育と制度です。しかし、誰一人として真剣にこの問題に取り組もうとしません。このために、パキスタンの多くのNGOは、普段でもその活動資金を集めるのにとても苦労しています。まして、パキスタンのこのような現状の下では、いっそうに資金集めが困難になっています。アルカイールアカデミーも例外ではなく、学校のための寄付金を集めることがとてもむずかしくなっています。(※注:
アルカイールアカデミーの運営資金は、ドナーからの寄付とJFSAと連帯した古着販売事業の収入で支えられています)
 この状況を受け、私は人々に毎日「今の状態は普通ではありません、だから通常よりも二倍の貢献をお願いします」と説得しています。バラコートやマンセラにいる被災者の為の寄付と、社会の問題に取り組んでいるNGOを助ける為の活動資金への寄付を下さい、と。何人かの人々は真剣に積極的に聞いてくれますが、ほとんどの人は耳を傾けてはくれません。
アルカイールアカデミーのプロジェクトについても、その必要性を忘れてはいけません。昨夜、カラチでもマグニチュード5.2の地震がありました。昨夜からはカラチ全市のことだけでなく、鉄筋づくりではないアルカイールアカデミーの建物のことを心配しています。図書室の上にある2階の教室では、約600人もの子どもたちが勉強をしています。そしてこの建物の基礎には鉄もセメントも使われていません。もしまた地震が起きたら学校は倒壊してしまうでしょうし、その再建のことについても悩んでいます。
 今すぐにでも活動を始めたいのですが、そのためにはどうやって資金を集めたらいいのか良い考えを求めています。どうしたらよいのか、どうぞ、いっしょに考えてください。



                      2005.10.14
             アルカイールアカデミー校長
ムハマド・ムザヒル


 JFSAでは17日(月)に事務局の西村をパキスタンに派遣しました。西村はまずカラチに行き、アルカイールアカデミーのメンバーと話し合って必要な物資の手配を行います。19日(水)にはアルカイールアカデミーのメンバーと共に被災地域(マンセラ)に行き、地震発生直後からマンセラに行っているカユーン氏(アルカイール事業グループ事務局)と合流します。カユーン氏および地域の人々といっしょに、必要な支援活動に取り組みます。その後カラチに戻って、今後の継続した支援の準備をアルカイールアカデミーとともに進めたあと、日本に帰国する予定です。ご意見、ご質問がございましたらどうぞお寄せ下さい。

2005.10.15

NPO法人JFSA事務局

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