会報26号より 2011.9
選別協力団体とは、地域で活動している団体やグループに古着の選別・販売などを継続的に行なってもらう取り組みです。昨年度、実験取り組みから始め、今年度に入り本格的な取り組みとなり、だんだんと形になってきました!現在は、5つの団体が定期的に古着の選別作業に入るとともに、古着の販売の方にも少しずつですが協力をしていただき、JFSAの事業を一緒に担っています。
JFSA海外衣料支援センターに届いた古着等は、今回、ご紹介する選別協力団体の皆さんの力を借り選別作業を行ない、パキスタンに送り出しています。
昨年8月から実験取り組みを開始し、11月から本格的にスタートし、現在までに計37トン882キログラムを選別していただきました。また、選別量に応じてお支払いし、各団体の活動資金となる「選別協力金」(1次選別1キログラムあたり8円)は計30万3049円になりました。
JFSAとAKBGは、日本とパキスタンで、ともに古着販売事業を通して、アル・カイールアカデミーの自立運営の支援を行なっています。選別協力団体の参加は、双方の事業を推進することにつながります。具体的には、各団体が集団(10人前後)で作業を行なうことにより、作業スピードが格段に上がり、短時間で多くの選別ができるようになりました。それにより、現在は年3本のAKBGへのコンテナ送り出し回数を将来的には増やせる可能性があります(古着の回収量の増加が必須です)。また、団体には作業協力だけでなく、古着の委託販売もお願いしています。まだ実験取り組みの段階ですが、そのことで、国内販売の販路が増え、販売収入の増加が見込めます。
選別協力団体の目的は、色々な人たちが共同作業を通して交わっていく場を作ることにもあります。私は団体のみなさんと一緒に作業をする中で感じたことがあります。それは「薬物依存」「引きこもり」「障害」といった言葉に対して、これまで自分が持っていたイメージが、いかに貧弱なものだったかということです。実際にダルクやオリーブハウス、セカンドスペースのメンバーと接点を持つと、イメージの中では見えていなかった生身の一人ひとりのメンバーの姿や生活史があることに気づかされます。具体的にな人間関係をとして対手のことを知っていくことは、アル・カイールアカデミーの子どもたちについても同じことです。働く子どもには「かわいそうな」イメージが付きまといますが、自分で稼ぎ家族を支えることに誇りを持って働いている子どももいます。
各団体が取り組み活動について、言葉からではなく、目の前にいる仲間のこととして皆で考えていきたいと思います。そして、そこに社会的は背景があるとすれば、私たちの社会のあり様であり、私たち自身のこととして考えていくことになるのではないでしょうか。
アル・カイールアカデミーのこと、地域社会のこと、お互いのこと、いろいろなことについて考えていける仲間の集まる場にしていきたいです。