会報51号より 2019.12

 JFSAでは、「販売協力団体」という名称で、商品を預けて売ってもらう、委託販売を行なっています。現在は、千葉県内の関係のある団体のお店や拠点、3箇所で常設販売しています。

 その中の1箇所、自然食品を扱うお店「アースマーケット」(千葉市美浜区高浜1-10-1)は、団地が立ち並ぶ中にある、スーパー、八百屋さん、自転車屋さん、中華料理屋さんなど数店舗が軒をつらねる、高浜ショッピングセンターの一角にあります。アースマーケットの店先にはベンチが置いてあり、行き交う人がちょっと休んだり、おしゃべりをしたりしています。並びにある中華料理屋さんの前では、いつ行っても中国の方たちが外に座っておしゃべりやゲームをしている、たまり場になっています。老若男女、様々な人が来る、オープンな雰囲気は、なんとなくJFSAに似ています。

 委託で置いている古着は、2週間に一回、入れ替えに行きます。その際に出会う常連のおばあさんが何人かいます。この時期は、厚手のズボンやセーターなどの防寒着が特に人気で売れ行きが良く、2週間ごとの入れ替えの合間に、商品の補充をすることも度々あります。おばあさんたちの様子を見ていると、古着を買った後は並びにある八百屋さんやスーパーに向かったり、通りがかった別のおばあさんとおしゃべりしてから帰って行ったり。もちろん、アースマーケットで買い物をすることもありますが、JFSAの古着を目当てに来てくれている方々なのです。

 彼女たちが常連としてきてくれるのには、店主の野田さんの存在が大きいです。「定休日に作業してたらおばあちゃんたちが来ちゃってねー。見たいって言うから、ラックを外に出したら、セーターがけっこう売れたよー」、「この前、古着の回収もしてるって言ったら、すぐ家に戻って持って来てくれたおばあちゃんがいたよ。ここで買ったセーターも入ってるからね。まだいっぱいあるからまた持って来るねって言ってたよ。」など、私が行くと販売の様子や、時には愚痴や世間話をしながらも、様々なアドバイスや提案をしてくれます。時々困った要求をしてきたりもするおばあさんたちのことも、きっと大事に思っているんだろうな、ということが伝わってくる、愛のある愚痴をいつも聞いています。

 約3年前、委託販売を始める際、委託者・受託者はもちろんですが、買いに来る方も含めて三者が利益を得られる形にしたいよね、と話し合って、それを目的にしました。3年経った今、ようやく委託者→受託者→お客さん→また矢印が委託者に戻る という三者が輪になる関係を実感することができています。古着という素材を媒介として、JFSAと他の団体やお店、そこを運営する人、そこにやってくる人が繋がっていける場を、今後も広げていけるといいなと思います。

写真:アースマーケットの軒先