パキスタンは、この原稿を書いている5月現在、ようやくコロナウイルスによるロックダウンが緩和されていく方向に舵を切り始めました。それまでは家を出ることもほとんどかなわない状況だったそうです。現在は縫製工房のスタッフは全員元気に仕事に来ているそうです。しかし、ロックダウン以降は州政府からの学校運用のストップがかかっていました。そんな中でも日本からのオーダーを滞らせるわけにはいかない、と学校の中にある工房に来て仕事をするスタッフもいました。また、家族がいるから工房には行けないが、家に素材を全部持って帰って仕事を進めてくれるスタッフもいました。家にとどまって、無理をしないでほしいという気持ちもある一方、皆が元気であり、仕事に誇りを持ってくれていることを感じ、とてもうれしい限りでした。
 しかし、肝心の商品づくりのための素材である生地やボタン、糸などを手に入れようにもマーケットも露店もみな営業をしておらず、思うように調達ができずにいました。JFSAとの主なやり取りをするアーディルさん(写真右から二人目)は、「ボタン屋が開いていない。代わりに買い置きしておいた別のボタンで大丈夫だろうか?」といった連絡を写真とともに頻繁にくれました。またある時は、糸や生地屋のオーナーに直接連絡し、お願いをして彼のために店を開けてもらい、素材を調達することができています。
 カラチの様子は写真と電話で聞き及ぶ限りで、早く現地へ赴き確認をしたいのですが、はやる気持ちを抑えつつ、電話口の元気な声を聞いてこちらも踏ん張りどころだ、と元気づけられます。

【写真 休憩中にチャイを飲む縫製工房スタッフ】


・リネン プルオーバーシャツ
ヨーロッパのヴィンテージシャツのデザインを基に、リネン100%の生地で仕立てたシャツになります。聞きなじみのある「リネン」という素材名ですが、原材料が「亜麻(フラックス)」と呼ばれるもので、同じ漢字を使う「麻(ヘンプ、ジュートなど)」のようにチクチクするものとは異なり、シルクのような見た目と肌触りがとても心地のいい通年で活躍する素材となっています。着るたびに柔らかさが増していき、風合いの良さを楽しめます。カラーバリエーションも豊富にしていく予定です。男女年齢問わずサラッと着られる商品です。カルハナ商品紹介


・カッディ プルオーバーシャツ
綿100%の「手織り」の生地、「カッディ」を使用しています。過去の会報でも紹介したカッディ職人であり、アル・カイールアカデミーでも子どもたちにその技術を教えているファハドさんが織った生地です。手織り独特の柔らかな風合いはリネンとはまた違った着心地の良さを表現してくれます。無地だけでなく、ペイズリーなどの織模様が入った生地を使用したものもあります。カラーだけでなく、柄も豊富にしていく予定です。
これらの商品以外にも様々なものをkapre千葉店・柏店やイベント出店時で販売しています。今後はインターネット上でも販売できるように進めていく予定です。

【会報52号より(2020.5)】