パキスタン洪水被災者支援カンパにご協力ください(2023年6月)
JFSAはアル・カイールアカデミーが行なう支援に協力するためにカンパ活動に取り組みます。
洪水被災地ブンド村の人々の暮らしの再建にお力添えをいただけますようよろしくお願いいたします。

(写真:2022年11月、洪水により多くの家が流されてしまった村)


■カンパ活動について
1.アル・カイールアカデミーが支援活動を続けている、シンド州ダドゥ地区ブンド村の家屋の建設を村人たちとともに進めるための資金カンパを呼びかけます。
2.支援の活動は生徒たちも参加して行い、生徒、スタッフが村人たちへの支援活動を通して知った農村の暮らしと被災した人々の思いの情報を共有します。
3.JFSAは、共有した情報をニュース発行や会報、ホームページなどを通じて、会員、支援メンバー、カンパに協力いただいた方たちをはじめ多くの人たちに伝えます。

■カンパ金の使途
1. シンド州ダドゥ地区ブンド村の家屋の建設費用(資材費、労賃など)
2. 支援活動を行うためにアル・カイールアカデミーが現地を訪問する経費(生徒、スタッフの被災地訪問、滞在の費用など)
3. JFSA事務局の被災地訪問の経費(パキスタン派遣中に実施)、カンパ金を集めるための事務経費(ニュース発行(※単独の場合)の印刷代・封筒代・郵送費)

■カンパ活動の期間
2023年6月~8月
※上記の期間の終了後も2023年12月までカンパは受け付けます

■カンパ金のご送金方法
▼郵便振替用紙によるお手続きをご希望の方
ゆうちょ銀行の窓口で「払込取扱票」(下記画像サンプル)の用紙に必要事項をご記入の上、お振込ください。


記号・番号:00100-3-464431
口座名:JFSA・復興支援
通信欄:カンパ1口=1,000円×口数をお書きください
金額は1,000円単位で口数は問いません



▼オンラインによるお手続きをご希望の方
クレジットカードによるお支払い、インターネットバンキングによるお振込をご希望の方は、こちらの専用ページ(ご登録フォーム)にお進みください


【これまでの経緯:緊急支援活動〜住宅の再建へ】
▼緊急支援活動

(写真:2022年11月、被災者への食料配布の様子)

2022年8月にパキスタンで起きた大洪水では国土の3分の1、住民700万世帯が被災したと伝えられています。
アル・カイールアカデミーのあるカラチ市も道路に水があふれ床上浸水もありましたが、水は早くに引いて大きな被害には至らなかったそうです。
アル・カイールアカデミーは洪水発生直後の8月下旬に被災地に行き、被災した人々から状況を聞きました。そして、数百世帯の被災者へ食糧、毛布、テント、蚊帳(マラリヤやデング熱を媒介する蚊から身を守るため)の配布を行なうとともに、ボランティアの医師たちと共に現地診療を行いました。
支援活動には、学校のスタッフや高学年の生徒が参加しました。
当時、ムザヒル校長は語りました。
「特に甚大な被害を被った地域については大きく報道され、大きなNGOが支援活動を行なっています。私たちはイスラム教徒以外の住民(注:パキスタンの人口の96%以上がイスラム教徒)の多い村を含め、支援が届きづらいと思われる村でも被災状況を調査し、必要に応じて支援活動を進めます。洪水被災地の水が引き、人々が元の土地に戻れるようになるまで少なくとも数ヶ月はかかるでしょう。長期的には住宅の再建や、被災した農民による農業の再開を支援することも含めた支援活動が必要だと考えています。」

パキスタンでは2010年にも大洪水があり、国土の20%が被害を受けました。この時JFSAとアル・カイールアカデミーは、被災した農村の人々の支援を共に行いました。支援の費用は、呼びかけに応えていただいた400人以上の個人の方々と17の団体からのカンパ金、約1170万円を使わせていただきました。当時はダドゥ地区のシター村で家屋を建設しましたが、その時の建物は長期の使用に耐えるようにしっかりと作ったので、今回の洪水でも倒壊しませんでした。

(写真:2010年の洪水被災時に支援で建てた家は今回の洪水でも無事だった)


▼パキスタンへのJFSA理事長・理事を派遣、住宅再建支援へ

(2022年11月、ムザヒル校長らアル・カイールのメンバーと共に小舟で被災地の村々を訪問し村人へのインタビューを行なった)

(2022年11月、堤防の上に延々と並ぶ被災者のテント)

2022年11月にJFSA理事長と理事1名が被災地を訪問しました。洪水から3ヶ月が過ぎていたにも関わらず農地は水没した状態で、人々は小舟を使って移動していました。
被災地では、国内外のNGOが食糧支援を行っていましたが、人々は残されたわずかな家財道具とともにテント暮らしを続けていました。2010年の洪水の時と同様に、家を失った多くの人々が都市部に移り住み、生活のつてを失った農民たちが更に厳しい暮らしになることが懸念されます。

(写真:2022年11月、被災地で聞き取りを行なうアル・カイールアカデミーのカユーム氏)


アル・カイールアカデミーはその後も被災地の支援活動と現地の調査を続けて、支援の全く届いていないシンド州ダドゥ地区ブンド村の人々に出会いました。

(写真:2022年11月、ブンド村で村人と話し合うムザヒル校長らアル・カイールアカデミーのメンバー)

この地域は夏期には気温が50度を超え、冬期には4度になる気候の厳しい地域です。アル・カイールアカデミーは村人と話し合いを重ね、生活を再建するためには壊れてしまった家を建て直す必要があると判断し、村人の協力を得てモデルハウスを建てることにしました。このモデルハウスには崩れた家の残ったレンガなども使い、村人も建設作業に協力して1軒約20万円で建てることができたそうです。ブンド村には約150家族が暮らしていますが、125軒の家が必要です。JFSAは2010年のカンパ金の残金300万円余りを家屋の建設費用に充てることを理事会で決め、現地へ送金しました。(写真)ブンド村2023年5月までにはJFSAからの資金で20軒(※)、他の寄付により10軒、合計30軒の家屋が建てられ、もっとも厳しい状況にある家族が入居していますがあと95軒の家屋が必要です。そのためにアル・カイールアカデミーはJFSAの協力を求めています。

(写真:被災地に再建中の家)

(写真:壁に色を塗られた家、完成まであと少し)


2010年のカンパ残金による住宅支援
ブンド村の20軒を建てるための支出内訳(2023年4月現在)
2022年12月30日JFSAより586万9727ルピー(344万円)を現地へ送金 ※1ルピー≒0.586円

2023年3月20日残高77万1018ルピー(35万6千円) ※1ルピー≒0.462円


【被災地ブンド村で支援により建てられた家に暮らす人々の声】

突然の災害で多くを失った村人は、公的な支援を受ける事もなく、また助けを得られる期待もなく日々を過ごしてきました。そんな中でアル・カイールアカデミーと出会ったことで、再び自信と敬意を持つことができたことに感謝しているといいます。


【6月8日にアル・カイールアカデミースタッフのザヒッドさん(アル・カイールアカデミーの卒業生)がブンド村を訪問し、再建した家屋に入居している村人から話を聞きました】

▼サナームさん(女性)

家族:夫(トラクターのドライバー)、娘三人、息子一人(子ども達は近所の学校の幼児クラス)
この村の学校はどんな様子ですか?
「公立で無料なのですが、先生や家具も足りず子ども達は地面に座って勉強しています。また扇風機は無く、水飲み場もありません。子どもが学ぶ設備としては不十分で心配です。私はハイダラバードで大学まで学びましたので、家で私の子どもや近所の子どもに勉強を教えています。」
旦那さんは十分に収入を得られていますか?
「生活費や子どもにかかる費用などに困ることはありません。」
アル・カイールや支援をしている皆さんにメッセージはありますか?
「皆さんに家を建ててもらい感謝しています。私は、私たちの家を支援してくれた皆さんのために祈ります(最後は英語を交えて感謝の気持ちを話してくれました)」


▼アビッドさん(男性)

家族:娘一人、息子四人(一人は結婚して別居)
お子さんは五人いると伺いましたが、生活費はどうしていますか?
「私はモスクで働いており、結婚した長男は日雇いの仕事をしています。」
洪水の時の様子を聞かせてください。
「このそばのレンガと土で作った家に住んでいて、洪水で全て流されてしまいました。その時に妻は家にいたのですが、崩れた壁の下敷きになり頭に大怪我をしました。私は妻をセヴァン(ブンド村から約70kmの町)の病院へ連れて行きましたが、手当が遅れてしまい亡くなりました。とても辛かったです。」
あなたはアル・カイールの支援で家を建てられましたが、村にはまだ家の無い村人が大勢います。
「そうです。彼らも家が洪水で流されてしまい、今もテントで大変な暮らしをしています。雨が降る度に心配です。彼らにも家が必要です。」
アル・カイールや支援をしている皆さんにメッセージはありますか?
「私たちが住むための丈夫な家を建ててもらい、私や家族、村人たちはアル・カイールに感謝しています。皆さんに神の祝福を。私たちは皆さんの為に祈ります。ありがとうございます。」


【活動へ参加した生徒へのインタビュー】

(写真:被災地支援に参加した生徒たち)

アル・カイールアカデミーではこの支援活動を通じて、生徒やスタッフがこれまで知らなかった農村の人々の暮らしを知り、困った人を助けることに意欲を持って取り組んでいることに大きな意味があると言っています。
▼Muhammad Ahmed Student class Ⅸ
アーマッド 9年生
村に着いたときに私はショックを受けました。すべての場所に破壊の跡がありました。村人たちは被害を受けた家屋から使えそうなものを探していました。私たちは毛布や食糧を配りました。彼らの喜ぶ様子は言葉では言い表せないほどでした。私はまた助けに来たいと望んでいます。もし、アル・カイールがこの村で教育や医療の施設を整えることを決めたら嬉しいです。

▼Muhammad Farhan Nadeem Student – class X
ナディーム 10年生
村の中に座っている人々は本当に助けを必要としていました。彼らには子供たちに食べさせるものが何もありません。この辺鄙な村には誰も救援に訪れていません。もしアル・カイールがこの村で働くために私を再び選んでくれたら、私は幸せです。アル・カイールはきっとこの村で救援活動を続けると確信しています。

▼Junaid Student – class X –B
ジャナイド 10年生
彼らは困っているので助けが必要です。彼らは汚染された水のせいで皮膚病に苦しんでいます。アル・カイールは優先的に医療援助を提供するだろうと思います。私は、彼らを助けるためにまた訪れたいと思っています。

▼Muhammad Toheed Student Class 1X- A
トヒード 9年生
人々が助けを必要としているのに、助けを提供してくれる人がいないのは残念です。彼らがこのような悲惨な状況でどのように時間を過ごしているかは、本当に言葉では説明できません。
教育施設を提供するために、この村にアル・カイールのキャンパスを開設することが私の提案です。住宅再建計画は、村人が必要としている避難所を用意できる優れた計画です。