私たちは、以下のような社会的・心情的目的を持って、JFSAの仕事を行なっています。
これらのことに、賛成・反対ということにとらわれず、あなたの意見や考え、感じたことをお聞かせください。
そのやりとりを通して、採用を決めたいと考えております。
●はじめに
NPO法人JFSAの活動について説明します。
JFSAは、常勤スタッフ6名、アルバイトスタッフ10名で仕事をしています。
毎年1万人以上の方たちから古着や毛布、鞄、靴などを約110トン回収し、スラムにある学校の運営を支えるため古着リユース事業を、パキスタンの事業グループと協力して行なっています。
回収した古着の約80%をパキスタンに輸出し、現地の事業グループがこれを販売。
収益を学校の運営費にします。約20%は国内で販売することで、パキスタンへの輸出を継続して行なうことができます。
回収した古着などをリユースするため、仕分け、選別、保管、梱包、輸出、国内販売(JFSA古着ショップやフリーマーケットなど)、会員や協力していただいた方への広報、協力団体との連携、パキスタンの事業グループとの連帯事業をすすめるための協力、スラムの人々や現地の協力者との交流などを行なっています。
また、地域で自立を目指して活動する様々なグループに、JFSAの事業への参加を求め、互いに支えあう関係を作ることを目指しています。
●JFSAが目指すもの
あなたはNGOと聞いて何をイメージしますか?
教育、医療、貧困、天災、紛争… 様々な言葉が連想されるでしょうか。
私たちはパキスタン最大の都市カラチ市のスラムにある「アル・カイールアカデミー」という学校の運営を支えるため、古着のリユース販売事業を行なっています。
スラムの子ども達がチャンスを手にするのは容易ではありません。
金銭的な理由から進学をあきらめる生徒もいますし、卒業しても収入の安定した仕事に就けるとは限りません。多くの子どもは、スラムの中で親と同じように低賃金の仕事をしてお金に苦労しながら生きていくことになります。
それでも卒業生が学校で学んだことを通して、人としても成長し、スラムの問題を変えていく力になっていくと、学校の校長であるムザヒル氏は言っています。
学校の運営を支えるには“継続していくこと”が大切です。
そのため、JFSAもアル・カイールアカデミーの事業グループも寄付に頼るのではなく古着の販売事業を協力して行なっています。
この仕組みを連帯事業と呼んでいます。これは事業活動を通した双方の自立を意味しています。豊かな人々が貧しい人々を一方的に支援するのではなく、双方の人々が支援する・されるという関係を越えて、友人として当たり前のことをする・されるという仲間意識をベースに事業を行なうことを目指しています。
●JFSAでの働き方について
JFSAの古着のリユース販売事業には2つの柱があります。
一つはアル・カイールアカデミーの自立運営を支えること。もう一つはJFSAとそこで働く仲間の暮らしを支えることです。
事務局は働いている年数や年齢はそれぞれのメンバー違いますが(30代~60代がいます)、お互い対等な立場で働き、生活の糧を一緒に作る仲間だと考えています。
もらうお給料も皆一緒です。上がるときも下がるときも皆一緒です。
もちろん、皆で上げていきたいと考えています。
JFSAで働くということは、雇われて働くことではありません。
やるべき仕事があり、それをこなしていくことではありません。
やるべき仕事を自分たちで作ります。
また、全員がJFSAの理事(代表権を持つ)となり、責任を持って仕事に取り組んでいます。
またJFSAでは「働く」ということそのものについて考えています。
JFSAには、古着の仕分け作業に様々な団体が参加しています。
(子育て中のお母さんグループ、障害者支援団体、引きこもりやニートの若者の支援団体、生活保護のおじさんたち、薬物やアルコール依存からの更生を目指すグループ、大学生のサークル)中には今の日本の社会の中では働く場を得られない人、働きにくさを抱えている人もいます。
既存の働き方がすべてではなく、今の社会に働ける場が無いなら、自分たちで新しい働き方や働ける場、仕事を作って行きたいと考えています。
●最後に
JFSAのテーマは「豊かな暮らしを支える世界の貧しさを考える」です。
私たちにとって身近な衣類から、自分たちの暮らしている社会のありようについて、
根源的な問い返しにともに向かい合いながら事業を進めています。
JFSAの募集要項の中には、必要とされる語学力や学歴、社会人経験などはありません。
そういう事が必要ではないかわりに、その人個人が今まで経験し学んできたこと、
その事を基に一緒に汗をかいて体を動かしながら事業を進められる仲間、
パキスタンのことも学びながら、悩みながら知恵を出して行動していける仲間を得たいと思っています。