パキスタン洪水の状況と、アル・カイールアカデミーによる被災地支援

【パキスタン洪水の状況と、アル・カイールアカデミーによる被災地支援】
日本の報道でも伝えられている通り、2010年の大洪水以上の被害がパキスタン各地で広がり、国土の1/3が水没したと言われています。アル・カイールアカデミーのあるカラチ市では、例年7~8月に起きるモンスーンの大雨により冠水する地域もありましたが、現在は水も引いているそうです。
アル・カイールアカデミーは現地でカンパ金を募り、被災地支援を始めています。現在の主な支援地域は2010年の洪水の時にも被災したシンド州内陸部のダドゥ(カラチ市から北に約200キロの農村都市)やその周辺地域で、被災地の調査と同時に数百世帯の被災者の人たちに食糧配布を行なっています。このような活動を週に1〜2回続けているそうです。
ムザヒル校長がその様子を語ってくれました。
「特に甚大な被害を被った地域については大きく報道され、大きなNGOが支援活動を行なっています。私たちはイスラム教徒以外の住民(注:パキスタンの人口の96%以上がイスラム教徒)の多い村を含め、支援が届きづらいと思われる村でも被災状況を調査し、必要に応じて支援活動を進めます。現在は緊急的に食糧支援を行なっていますが、洪水の影響で蚊が大発生しているため、蚊帳や蚊取り線香も届ける予定です。また私たちと共に十数名の医師がボランティアとして現地入りし、医療活動をする計画を立てています。」
今後、洪水被災地の水が引き、人々が元の土地に戻れるようになるまで数ヶ月はかかりそうです。ムザヒル校長は住宅の再建や、被災した農民による農業の再開を支援することも含めた長期的な関わりの必要性を訴えています。

JFSAは2010年のパキスタン大洪水の時に、アル・カイールアカデミーの子どもたちを含めた支援活動に寄り添う形でカンパの呼びかけ及び被災地支援活動を行ないました。あらためて現地の人々と共に活動を振り返り、今回の洪水被災地における緊急的な支援活動については、2010年のカンパ活動で寄せられたカンパ金の残金を使用する方向で考えています。同時に、今回の洪水被災や支援活動の状況をアル・カイールアカデミーから共有してもらいながら、JFSAとして今回の被災地支援活動への協力を進めます。

※洪水被災地支援の様子は、以下のページで継続してご報告いたします。
https://jfsa.jpn.org/support_for_flood-stricken_areas