●AKBGとは

アル・カイールビジネスグループ(Al Khair Buisiness Group)の略称。アル・カイールアカデミーの運営を支えるために作られた事業グループです。

JFSAはAKBGに衣類や毛布、バッグなどを輸出しています。パキスタンでそれらを受け取ったAKBGのメンバーが卸業者に販売(90~110ルピー/kg)し、JFSAへの古着代金(20円/kg)、海上運賃、関税などを支払って得た利益が学校の運営費になります。

●アル・カイールアカデミーとは

パキスタン最大の都市カラチ市(人口2000万人以上)と北部バラコートにある無料の学校。
生徒の多くが厳しい暮らしをしていて、働きながら学んでいる生徒もいます。
約30年前に開校し、2020年8月現在、学校は10校で生徒数は約4500人で約200名の先生が働いています。
そのうち、42名がアル・カイールアカデミーの卒業生です。
学校に通っている子どもたちは様々な問題(家庭のこと、体のこと、勉強のこと)を抱えながら学んでいます。
卒業生の先生は、子どもたちが抱えている問題と身近なところにいます。
「彼らには勉強を教えるだけでなく、子どもたちの小さな変化にも気づいてほしい。」とムザヒル校長は言っています。

●試行錯誤の中で・・・

授業をするムザヒル校長

現在アル・カイールアカデミーの校長を勤めるムハマッド・ムザヒル氏は、カラチ大学を卒業後、このアル・カイールアカデミーという教育支援活動をはじめる前に、スラム地域における人々の生活改善を目的に、いくつものボランティア活動を行ってきました。
それは、例えば引き売り用のテーリーと呼ばれるリヤカーを作り住民に供与するなど、物質的な支援を主体としたものでした。
しかしこれらの活動の成果は期待を裏切り、住民の生活は以前と変わりませんでした。
「人々の心に動かしがたい変化が生まれない限り、根本的な意味において何の良い変化ももたらさない。」とムザヒル氏は感じるようになりました。

●教育の必要性

そこで「住民の生活を改善するためには長期的な視点をもって、子どもたちへの教育支援を行うことこそが重要」と考えたムザヒル氏は、1987年、カラチ市のニューカラチにあるムスタファ地区というスラム地域で10人の子どもたちを集めて教育支援を開始。
「第一歩」を踏み出しました。

●親たちの説得から

ゴミ捨て場にある学校 キャンパスⅡ

ゴミ捨て場にある学校 キャンパスⅡ
アル・カイールアカデミーができるまで学校はなかった

学校を始めた当時、親自身読み書きのできない人が多く、教育の意味は簡単には理解されませんでした。
子どもたちには学校へ行くよりむしろ家計を助けるために働いてほしいという気持ちが強かったそうです。
ムザヒル氏は親たちに教育の必要性を根気強く説きつづけました。
その結果、学校で学ぶ子どもたちは徐々に増えました。
学校で学んだ子どもたちが家に戻り両親にも影響を与え、衛生面の意識などにも変化が生まれました。
こうして学校の存在意義は少しずつ住民に認められ地域に開かれた場所となってきたのです。
授業はパキスタンの国語であるウルドゥー語で行われ、科目はウルドゥー語、英語、算数、理科、シンディー語、イスラムなどがあります。

●子どもたちが学びつづけられるために

子どもたちの親は、小さな工場での仕事や日雇いの仕事、屋台の引き売り、タクシーやリキシャの運転手などをしていますが、賃金は安く仕事も安定していません。
そのため、子どもたちは幼いころから家計を支えるために仕事を始め、働きながら学校に通っています。
しかし賃金はわずかで、仕事の環境も大変厳しいものです。
10才を過ぎると(特に男子は)1日中働くために退学する生徒が増え、生徒数も急に減っていきます。
子どもたちが学びつづけられるために、アル・カイールアカデミーは生活状況が特に厳しい家庭には食料支援も行なっています。
また子どもたちが学びながら職能を身につけられるようにと、2000年から日本のNGO「地球市民交流基金アーシアン」の支援を受けて職業訓練所が併設されました。
この職業訓練所には縫製科(女子)があります。

●児童労働とは

バイクの修理工として働く少年法律で定められた就業最低年齢を下回る年齢の児童(就業最低年齢は原則15歳、健康・安全・道徳を損なう恐れのある労働については18歳)によって行われる労働を指します(国際労働機関:ILO)。
またILOによると、児童労働の大きな要因として①貧困②教育の欠如などが挙げられます。

アル・カイールアカデミーでも、厳しい暮らしのため働きながら学んでいる子どもたちが多くいます。
働きながらでも通えるよう、学校は午前と午後の2部制です。
また、夏休みや冬休みといった長期休暇はありません。
学校に来ない時間を長く作ると、その間子どもたちは働きに行ってしまいます。
少額でもお金を稼ぐことで、学校が再開されても来なくなってしまう子もいます。

キャンパスⅠ~Ⅳ
キャンパスⅤ~Ⅶ
青空学校(パキスタン北部 バラコート)、カレッジ(カラチ市内)